読書メモ:人間性心理学入門(ユージン・ジェンドリン)
日本の心を照らします☀
鉄舟です
最近は晴れが続いております。
畑にいるとき、とんでもない暑さになるのですが、雑草刈りしている時間が心地よく感じて、自分の変態さに驚きます...。
さて、人間性心理学入門の読書メモ、最後の人物になりました。
トリを飾るのは、ロジャーズの弟子である、ジェンドリンです。
ジェンドリンは哲学者でもあったみたいですが、「フォーカシング」という技法が大変有名になり、心理学者としての方が有名になった、ユダヤ系の学者です。
ジェンドリンが心理学の分野で残した功績は、フォーカシングだけではなかったそうですが、本書では、入門としてフォーカシングのみ解説されていました。
フォーカシングの概要の後、僕自身の感情が動いた箇所、そこから推測される自分の価値観、そして感想を書きます。
フォーカシング
フォーカシングとは、まだ言葉にならないような、からだで感じられる微妙な感覚に注意を向け、そこから言葉を出していく作業です。
(日本フォーカシング協会HP より)
この、「言葉にならないような、からだで感じられる微妙な感覚」はフェルトセンスと呼ばれ、その感覚が明確に言語化されたとき、フェルトシフトと呼ばれる、開放感に似た感覚を得ます。
優れた腕を持った心理療法家のセッションで、成功と失敗が分かれる原因は、クライアントが自分の内側の声を聴こうとするか否かでした。
自らのフェルトセンスを感じ、言語化したフェルトシフトを体験する、この過程がセッションを成功に導く上で必須要素となります。
フェルトセンスは、元々誰もが感じるものです。
一方で、フェルトシフトはクライアント自身が内側の声を聴こうとしない限り、体験できません。
誰もがフェルトシフトを体験できるように手順を体系化されたものが、フォーカシングです。
具体的な手法は、本書においても詳しく解説はなされていませんでしたが、参考文献は載っていましたので紹介しておきます。
・Ann Weiser Cornell著 大沢美枝子訳、日笠摩子訳「やさしいフォーカシングー自分でできるこころの処方ー」1999年、コスモス・ライブラリー
感情が動いた箇所→自分の価値観推測
・カウンセリングの成否は、クライアント側の条件が大きく影響する。
→ セッションを受けるとき、自分から変わろうとしなければ、結局変わらない。
消費者マインドではなく、主体的に取り組むことが重要。
感想
感情が動いた箇所は少なかったが、フォーカシングは臨床現場で多々用いられているそうなので、そのような技法の情報に触れられてよかったです。
感情が動いたわけではないけど、面白いと思った点がありました。
フォーカシングにおいて、身体感覚に意識を向けたり、身体感覚そのものに変化が生じる点です。
これは、心と身体はつながっていることを、示していると感じました。
東洋医学では、五臓(肝、心、脾 (消化器官)、肺、腎)には、それぞれに影響の大きい感情が異なるとの話があります。
怒りが過ぎると肝を傷つける、悲しみが過ぎると肺を傷つけるなどです。
武道における心身統一の状態は、身体の感覚をしっかり感じられている状態でもあります。
このように、東洋では心 (感情)と身体は密接に繋がっているという価値観があります。
フォーカシングも共通している部分があると思い、面白く感じました。
心と身体感覚は繋がっている、身体感覚に意識を向けることが心の安定につながる部分があることは、古今東西変わらないことの一つだと認識しました。
人間性心理学入門の読書メモ、これで一通り終わりました。
次回、本書の内容をおさらいして、全体の感想でも書こうと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。