「猫の生活と私」

30代の働く女性がある時仕事や生活の憂鬱感が極限になった時「猫になりたい」と叫んだ その瞬間に黒い子猫になった
ストーリー概要

【起】
今日もまた憂鬱な1日が始まった。私、maoは30代のOLだ。毎朝同じようなルーティーンを過ごしている。
寝坊して慌てて支度をし、会社に遅刻しがち。上司から叱責されるのが日常茶飯事だ。
そしてデスクワークの山が待っている。ミスに気づくとまたストレスがたまる。
帰宅すると、寂しい一人暮らしの夜が待っている。あまりにも虚しくて辛い。

「こんな人生、ウンザリだ…」
イヤな気分におそわれながら仕事をこなす毎日。ストレスでカラダが重くなり、夜は熟睡できない。
動物になりたいと漠然と思うようになった。

ある日の深夜、一人でテレビを見ながらぼんやりしていた。
「猫になりたい…ニャー」
つい口から出てしまった。その瞬間、目の前が真っ暗になり気を失った。

【承】
目を覚ますと、見知らぬ場所にいた。体が小さくなり、鼻の周りが動く。
「な、なに!?この体は!?」
鏡を見るとそこには黒い子猫の姿があった。自分が猫になっているのだ。
「どうして!?どうしてこんなことに!?」
戸惑いと混乱に打ちひしがれた。
そこへ大きな黒猫が現れ、のんびりとした口調で話しかけてきた。

「あなたは願いを叶えられたのです。猫になりたいと望んだのですから」

なんと、この黒猫の名はビビ。願いを叶える不思議な力を持つ魔法の猫だという。
ビビに促されるまま、しぶしぶ猫の生活を送ることになった。

【転】
最初の頃は四つ這いで歩くことさえままならなかった。
でも徐々に猫の体に慣れ、ビビに教わりながら猫の生活を学んでいった。
家の中を自在に歩き回れるようになり、狭い場所も器用に通れるようになった。
猫じゃらしで遊ぶのが何より楽しかった。魚の形をしたおもちゃにまるで魅了されたように夢中になれる。

食事は美味しいキャットフードをごちそうになった。毎日ゆっくり昼寝を楽しむことができた。
ビビに散歩に連れて行ってもらうと、外の世界が新鮮に感じられた。
木の上ったり、犬から逃げ回ったり。猫だからこそできる経験に次々と出会えた。

【結】
ある日、ビビにこう問われた。
「あなたは、人間に戻りますか?それとも猫のままでいますか?」

はじめは戸惑った。確かに猫になれて、ストレスのない生活を送れた。
でも、本当にこのままずっと猫でいいのだろうか。
そう考えた末、私は人間に戻ることを決めた。

目を覚ますと、また独り暮らしのマンションにいた。時計を見ると夜中の3時を回っていた。
猫生活は夢だったのかと思いきや、ベッドの上にはビビがうとうとと眠っていた。

「ビビ、ありがとう。あの経験で、人生を前に進む勇気がわいたよ」

猫であることの素晴らしさに気づかされた。今こそ人生を見つめ直し、前を向いて歩んでいこう。
そう心に決め、私は新しい1日を力強く迎えることができた。

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