過去と戦い、過去で戦う
「LIFE HISTORY MIXTAPE 01」
ラップスタアのディレクター、菊池謙太郎さんの著書
10人のラッパーの、子供の頃の話がたくさん詰まったミックステープ。
血の通ったとても興味深い内容。様々な感情で胸がいっぱいになった。
幼少期の出来事や、親や兄弟との関係は人それぞれで、
それが良くも悪くも「個性」になると思う。
親や兄妹との幼少期の思い出×思春期の本能的な行動=将来の選択肢
この構造がもし正しければ、自分で選べない部分があり、それをどう補うかが相当大事だ。
毒親、いじめ、育った地域、選んでいないのに。
悲しいけれど乗り越えなければならない。
この本で語られるラッパーは、その人生を武器に、リリックや強い感情に込めて戦っている。
人と、世の中と、自分と戦っている。
それがかっこよくて、羨ましい。
恥ずかしながらルサンチマンという概念を最近覚えた。
弱者が強者に対する嫉妬。
自分はそれを抱えすぎている。
ただそれをさらけ出すのか、心の中にとどめ続けるか、表現の力に変えるか。
どれも中途半端なまま、抱え続けて、斜に構えた生き方をしてしまう。
別の話だが、ザ・ノンフィクションをたまに観る。
過酷な人生のリアルな現状。
胸が苦しくなるけど見てしまう。人の不幸で感動していいのか、難しい気持ちになる。
見下して気持ちよくなっているひとのためなんじゃないかと。少し思ってしまう。
ドキュメンタリーをもっと勉強したい。難しい気持ちを解決したい。
この本も正直難しい気持ちになった。共感したり、悲しくなったり。
でも、ラッパー達は、どんな人生でも、それを背負って戦っている。
過去に後悔したり、嫉妬もしていない。
過去に感謝して、どこか前向きに捉えてるように自分は感じた。
本当にすごい。かっこいい。
自分はラッパーという人生を選んでいないが、抱える嫉妬を表現のエネルギーに変えたい。
ルサンチマンとか、メタに見てしまう自分とか、気にならないぐらい、夢中になって、自分の理想の表現を突き詰めたい。それしかない。
そして、過去に感謝する。
どんなことがあっても、今があるのは、過去のおかげ。関わってくれたすべての人のおかげ。
この本を読んで、親に感謝したいと思った。
来週、大相撲を家族で観に行く。初めて升席のチケットを取ってみた。
自分なりの親孝行、楽しんでくれるといいな。
自分の中のいろんな歯車がこの本のおかげで動いた。
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