再勉生活! 謎の「2 for $5」@北米スーパー
さて前回、新聞の折り込み広告についているクーポン券を何枚も使って、スーパーの商品をタダでいただこうとする客の話を書きました。
このネタは短編小説《三丁目の熊》で使いました。
この熊オヤジですが、さらに『1個180円、2個なら300円』のリンゴを1個買い、
「これは1個目じゃなくって、2個目だから120円だ!」
と言い張りましたよね。
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最初にこの短編をNoteに書いた時、カナダ在住のアリエルさんから、このネタは北米では使えないね、とコメントをいただきました。そのあたりの話を……。
スーパーで買い物する時に、例えばホウレン草が1束だと120円だけれど2束だと200円、なんて時、うーん、と迷いませんか? 私はけっこう迷います。
でも妻は、人が集まる時は別ですが、
「そんなの、使いきれないんだから、新鮮なの買った方がいいでしょ」
と1束派です。
父は2束派で、母が亡くなってひとりになった後も宗派を変えるのに相当時間がかかりました。
これは思うに、名古屋人特有の、
・オマケに弱い
・オトクと錯覚しやすい
という遺伝的?特性によるものでしょう。
《敵》もそれを見抜いていて、巧妙に罠を仕掛けてきます。
《再勉生活》でアメリカ生活を始めた後も、スーパーに行くと、安ワインに、
・2 for $15(2本で15ドル)
のように値札がついています。
(うーん、とりあえず1本でいんだけど……まあ、どうせ飲むから2本買うとするか)
ところがある日、
(まあ、1本でいいか……)
すると、なんと、1本はジャストこの半額、$7.5だったのです。
どこのスーパーでもこうではないのでしょうが、大きなチェーンストアではほとんど、価格は「2 for $15」「3 for $20」なんて書いてある商品を1個だけ買うと、そのラベル価格の、1/2、1/3の値段なのです。
「だったら、そんな書き方するなよ!」
と思いますよね? ── おそらく当初は日本と同じシステムだったのが、「三丁目の熊」のようなクレイジー・クレイマーに、
「なんでだよう! ふたつで15ドルならひとつ7.5ドルじゃねえかよう!」
などとからまれた歴史があるのでしょう……知らんけど。
ちなみに、米国では、肉だけでなく野菜も果物も、多くが量り売りなので、1ポンド(0.454 kg)あたりの値段が書いてあることが多い。換算に注意が必要ですが、日本に比べれば、どれも安いですね。
これも最近では、客自身が重量を量り課金するシステムになっているようです。
カナダを含む全世界がメートル法システムになった現代もなお、ポンド・マイルにこだわるあの国 ──「America, First」はあのオジサンが強調するよりもずっと前からその種の傲慢さ ── といって悪ければひとりよがりがあったのでしょう。