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伸びる伸びない 2

1はこちら(続きモノ…じゃないけれど):

学生時代のサークル仲間がこの夏久しぶりに集まった時、冒頭、髪の薄くなったメンバーは、やはり自虐的にその話題から入ったりする。
「おお、久しぶり……あんまり変わっていないな」
と言うと、
「いやあ……ここがねえ」
帽子キャップを取り……確かに。
私が用意したPCで昔の写真をモニターに映すと、
「この頃のふさふさした髪を見ると、あの頃の自分に嫉妬するよ」
と別のメンバーも。
髪量は多いが、総白髪になっている者もいる。

「オレも黒毛和牛だったのに、薄毛和牛になっちゃったよ」
そう言ってみたけれど、同じ年齢の彼らと比べれば、相対的にまだ髪は残っており、白髪もマダラ状程度。

高校のクラス会で、女の子(年齢はお互い、幾つになっても『女のコ』なんですよ)に、
「タニくんだけはいつまでも変わらないわねえ……」
と言われると、
「そう?」
ともちろんうれしいのだけれど、それはあくまで、
『前方から見て』
ということである(いや、精神年齢か?)。
本人も気にして、髪を中央から両側に流すなど、左右の『企図しない剃り込み』を隠すよう努力している。
そして、普段はまったく自覚していないのだけれど、自宅ソファでラッコ状態になっていると、同居人が、
「あ、ちょっと、動かないで!」
とスマホで頭頂部の写真を撮る。

「ほら、自分では見えないかもしれないけれど、こんなになってるよ!」
と画面をこちらに見せる。
「ほら……ほら! やばいよ!」
「うーむ……」
河童カッパ化現象』の進行を目にすると現実と向き合わざるを得ない。
「ほら……ほら! そろそろ使った方がいいんじゃないの!」
「いや、まだ大丈夫だろ!」
「いやいや、まだこれくらい残っているうちに使い始めた方がいいよ! 手遅れになると効かないよ!」

『使う』のは、アチラではなく、コチラの話である:

彼女は以前、その薬液と同成分を使い睫毛を伸ばしていたことがあるので、その『伸ばす』薬効は、まさに肌で感じているのである。

(まあ……がんちちさんの報告を待ってからにするか……)

それはそうと、一昨日、ドジャース対パドレスの試合が終わった後、記者にインタビューされる大谷翔平選手を見て思ったのであーる:

彼の視点で周囲を見渡せば、辺りは河童カッパだらけなのかもしれない。

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