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これがホントの『パウ・パトロール』!

昨年暮れに就学前の幼児がふたりやってきた。
お年玉代わりに何か好きなものを買ってやろうとトイザらスに連れて行ったのだが、とにかく迷いに迷い、1時間経っても決まらない。
幼い姉妹の間で今の《推し》は、それぞれ個性と得意技、それに特徴のある乗り物を持った犬たちが、チームで人助けや問題解決をするアニメ『パウ・パトロール』なんだとか。

どれどれ、と一緒に番組を見ると、『特徴ある乗り物』を使う点は、ジジイが子供の頃夢中になった『サンダーバード』に似ている。

けれど、国際救助隊のサンダーバード1-5号が原子炉を動力源とする宇宙船やロケットなど巨大メカを駆使するのに対して、『パウ・パトロール』は軽自動車大のメカで身近な問題を解決する点が異なる。

チームの中でも彼女たちが『推す』キャラが複数あり、どちらにすべきか迷っているのだ。

1番人気はやはり、女の子キャラの「スカイ」。

フライングヘリをのりこなす、 コッカースパニエルのミックスで おませでかしこい「スカイ」

男の子キャラでは、チームのリーダーシップを取ることが多い「チェイス」。

ポリスカーをのりこなす、 ジャーマンシェパードのしっかり者「チェイス」。

つまり、自分自身の理想を投影する「スカイ」か、かっこいい憧れイケメン「チェイス」かで迷っていたのである。
相当悩んだ挙句、姉が「チェイス」、妹が「スカイ」の乗り物を買うことで決着した。

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さて、表題である。
東京に住む友人は、リタイアした後、必然的に愛犬を散歩させる機会が増えた。
愛犬家(かどうか、ホントのところはわからないが、とにかく犬を連れている人)どうしは垣根が低くなり、犬を連れていなければただすれ違うだけの相手とも、気軽に挨拶し、立ち話する。
「だから、初対面で相手のことを何も知らなくても、犬を話題にして盛り上がり、友だちのような感覚になるんだ。それに付け込んでだましだまされ、なんてこともあるから、注意しなくちゃいけない」
彼が頻繁に見かけるのが、50代と思しき女性で、茶系のトイプードルを連れ、毎回違う犬トモ?と話し込んでいる。

おしゃべり好きで犬トモがたくさんいるヒト、と思っていたが、ある時、奥さまが、
「いや、あの人、いつもさりげなくこの界隈の様子を探っているみたい。集合住宅前に引っ越し業者のトラックが停まっていたり、新築の家が建ったりすると、新しい住人がどんな人か、その周りの人にさりげなく尋ねてるのよ」
最初は好奇心旺盛のオバサンかと思っていたが、そうではなく、仕事として恒常的に『聞き込み』を行っているのではないか、というのが彼女の『読み』であった。
「カミさんは、オバサンのダンナは探偵事務所か何かをやっていて、公安から仕事をもらっているんじゃないかって言うんだ ── ほら、この辺り、VIPの家が何軒かあるだろ?」
確かにその地区は、元総理みたいな人たちが何人か住んでいるらしい。

その話を娘にすると、
「だったら、そういう重要な任務は私立探偵なんかに依頼するのはリスクがあるよ。警察自体が直接行うべき仕事なんじゃないの?」
と言う。

……うーむ、なるほど。
オバサン自身が一市民になりすましている『覆面警官』で、怪しいヤツが何か企んでいないか、日々探っているのかもしれない!
だとすると……

これがホントの『パウ・パトロール』じゃないか!

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