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「少女マンガ」と呼んでいいのかな?

 ささかまさんの記事を読んでから、私も子供の頃に好きだった少女マンガについて書きたいと思っていました。

 私には2歳上の姉がおり、彼女が小学生時代に買う「マーガレット」「少女フレンド」はよく見ていた。
 しかし、毎回愉しみに待つようになったのは、姉が中学に上がり、創刊したての「セブンティーン」に移ってからのことである。

 今でもはっきり憶えている大好きだった「少女マンガ」がいくつかある。

1.「ファイヤー!」水野英子

 ご存じのように、伝説の「トキワ荘」に住んでいたただひとりの女性作家です。ストーリーは下記ページを見ていただいた方が正確ですが、
《感化院でロック・ミュージックに魂を揺さぶられたアメリカ少年が、ロック・バンドを結成し、メジャーデビューを果たしながらも、理想と狂気の狭間を進んで行く》
 という、かなり長い物語でした。ヒッピー文化やベトナム反戦運動、人種差別問題なども背景にありましたね。「週刊セブンティーン」創刊の時から連載されていたようです。

 主人公のアロンは純粋にロックを愛し、商品としての音楽をすべて否定する。
 中学生だった私(♂)はこのマンガに夢中になった。ギターを弾き始めた時には主人公のイメージがあったと思う。

 さて、この「ファイヤー!」、作者は女性で掲載も少女誌ではありますが、「少女マンガ」なんだろうか?

2.「学生たちの道」「飛んでゆく雲」西谷祥子

 「学生たちの道」は「週刊マーガレット」に連載されていたようです(記憶の中では「セブンティーン」なんだけど)。
 スイスの寄宿学校に留学入学した男子生徒が、様々な個性を持つ友人たちと友情を深めたり対立したりしながら成長していく物語で、最後は卒業してそれぞれの道に進んで行くところで終わったと記憶しています。
 親元を離れての寄宿舎生活、憧れましたね。

 ここに書いたように、主人公も登場人物もほとんど男子学生なのにも関わらず、今単行本の表紙を見ると女性です。
 これは出版社の販売戦略なのでしょうか?

 「飛んでゆく雲」は「別冊セブンティーン」に2回読み切りで掲載されたようです。
 舞台は保元・平治の乱の頃、源義朝の長男(頼朝の庶兄)、悪源太・義平が平氏によって処刑された後で生まれた遺児・天寿丸の物語です。
 これも主人公は男子で、源平の大きな愛憎のうねりに人生が翻弄される「歴史秘話」です。

 ここに挙げた3作品は、いずれも男性が主人公で、だからこそ中学生だった私が感情移入しやすかった、とも言えます。

 ただ、この時代、恋愛以外を中心テーマに据えるマンガを、女性主人公の視点で描くのは難しかったのかもしれないな、とも思うのです。

 その意味では、どれも主人公は男性ですが、やはり、読者としてはいわゆる「ティーン(13歳から19歳)女性」読者向けに書かれていたのでしょう。

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 なお、私が好きだった二人のマンガ家のその後について改めてWikipediaで調べてみました。

 水野英子さんは、「ファイヤー!」連載終了直後、未婚の母になることを公表し、出産後には単独での育児のため、長編連載が難しくなったそうです。

 西谷祥子さんは、結婚された後、専業主婦になられ、作品を発表されていないようです。

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