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先生も苦笑するしかない授業のサボり方
「教師生活二十*年、こんな屈辱は初めてだ!」
普段穏やかな高校の英語教師が顔を真っ赤にして叫んだ、少々苦いエピソードを告白してしまいました:
やはり、相手が(『激怒!』ではなく)苦笑するしかない《いたずら》が望ましい。
・被害がたいしたことはない
・ウィットが効いている
この2条件がポイントかもしれません。
『返り点落書き』などはその最たるものでしょう。
『注射です』は集団サボりだったわけですが、個人サボりでは、こんな女子生徒がいました。
高校で同じクラスではなかったけれど、同学年のワンゲル仲間に用があり、放課中、彼の教室を訪れた時のこと。
身長50センチぐらいの、手製らしい人形が誰かの椅子の上に置いてあります ── いや、座っています。
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手足やドレスはフェルト製 ── だったかな?
「何、この人形?」
そのクラスの友人が答えるには、
「ああ、チエ(仮名)だよ。なんか用があるって前の時間が終わった後、帰って行った」
「で? これが身代わり?」
「ああ、いつも代わりに ── というか、本人というか ── だってほら、名札も付いてるだろ?」
「いや、そりゃあ……」
「学校休む時も誰かに頼んでこいつを自分の席に座らせておくんだよ。これがアタシだ ── チエはそう言ってる」
もちろん、その《代理》は口がきけないが、授業の始めに教師が出席を取ると、
「**(苗字)ちえ」
「ハイ!」
どこからか返事が聴こえるという。
先生がその席まで行って、
「なんだこれは!」
と《代理》を指さしたり頭を叩いたりすることはあるらしい。
でも、
「**ちえさんです!」
「ちえでーす」
周りの生徒が全員言うので、先生もそれ以上追求することはないらしい ── おそらく出席扱いにするのはよほどの達人教師だけだろうけど。
彼女は ── たぶん《代理》も含め ── そのクラスでとても愛されていたようだった。