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あ 『アメブロ』
かつてアメブロを書いていた。「陣内俊のPrayer Letter ONLINE」という。2008年~2013年ぐらいの5年間、わりと毎日のように更新していた。2011年頃から鬱の前兆があったから途切れがちになったけれど、当初から働きを応援してくれている友人たちを中心に、愛読してくれていた人も多い。
あの頃のアメブロを思い出すと、インドの光景が広がる。2008年に4ヶ月間、インドに行った。毎日体調が悪く、毎日帰りたかった。高熱を出し、皮下組織に菌が入って病院に行き、下痢と嘔吐と高熱に苦しめられ、40度を超す気温でパソコンのアダプタが湯気を出し、野犬に囲まれ、デジカメを盗まれた。ずっと銭湯でのぼせているような感覚があった。何より、孤独だった。
そんなインドで、僕は毎日ブログを執筆した。執筆したものを読んでくれる誰かがいると思うと、孤独が少しだけ癒やされた。LONLY PLANET っていう、海外版の『地球の歩き方』みたいな本がある。まさに当時の僕は「この惑星で孤独」だったわけで、孤独な僕は毎日、文章を紡いだ。
紡がれた糸を誰かがつかんでくれたなら、僕はもはや孤独ではない。芥川の『蜘蛛の糸』のカンダタのように、誰かがこの細い糸をつかんでくれるかもしれない。僕の直観が正しければ、つかんでくれる誰かがいた。その誰かは同じく LONLY PLANET だった。時代が変わり今は note だとかメルマガだとかで文章を書き続けているが、インドのときの感覚は忘れない。僕は「僕と同じような誰か」に向けて文章という糸を紡いでいるのだ。祈りにも似た気持ちを込めて。
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