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と 「時計」

時計にとくに思い入れはないけれど、壁掛け時計と腕時計には一定の基準をもっている。壁掛け時計はとにかく静かなもの。HSPの僕は微細な音でも睡眠が影響を受けるらしく、「チクタク音」が気になり始めると眠りが疎外されるので、とにかく無音のものを探し続けている(不思議なもので自宅以外ではまったく気にならない。夜中中何かがうるさいインドでも寝られたぐらいなので)。結果的に「静音時計」ですらアナログだとちょっとだけ音がするということになり、デカいデジタルの壁掛け時計なら無音だと気付いて3年前にAmazonで中国製のそれを購入してから僕の部屋にはデカいデジタル壁掛け時計がある。

腕時計はとにかく「チープカシオ」ばかりだ。1000円のアナログのやつがひとつと、ファッション用のデジタルのやつをふたつをもっている。アナログのやつは散歩するときや作業するとき。ファッション用のやつのひとつはたしか1000円台で買ったチープカシオ(シルバー)で、もうひとつは5000円ぐらいする(たぶん今はもっと高くなってる)「データバンク」という計算機がついたやつ。

アラフィフの僕は「ファッション」を語れるような身分ではないかもしれないけれど、なんかデータバンクって「しまる」んですよね。G-SHOCKも悪くないし、Apple Watchもファッション性は高いんだろうなと思うのだけど、あまり「ごついもの」が好きじゃないのと、高価なものを身につけるとなんかソワソワする性格なため、データバンクあたりがちょうど良い。どことなく都会的な雰囲気と、どことなく垢抜けない雰囲気が同居している。「レトロフューチャー」といって「昔の人が想像した未来」みたいなコンセプトが真空パックされてる感じもちょっと遊び心がある。

僕の経験則によれば、今の子どもはApple Watch以上にデータバンクに興味を示す。ボタンがついていてこれに住所とか入れたり計算もできるらしいが一度も使ったことがない。スマホ時代にこれを使っている人はむしろ皆無だろう。世界がゾンビに支配されあらゆる電波塔が破壊されたらもしかして役に立ってヒーローになれるかもしれない。これが「新しかった」80年代とかにはデータバンクで計算して「どや顔」する人もいたんだろうか。とにかく僕は4年前に購入したデータバンクをとても気に入っていて、出かけるときはこればかり腕に巻いている。


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陣内俊
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