愛と勇気だけが友だちさ
そうだ おそれないで
みんなのために
愛と勇気だけが ともだちさ
―――アンパンマンのマーチ やなせたかし 作詞
▼▼▼勇気について▼▼▼
日本ではあるときから、
「勇気」が美徳でなくなった、
という話を先日、
内田樹と白井聡さんの対談本で読んだ。
まずは多少長いが引用しよう。
、、、今の日本には「勇気」が失われた、
と二人は嘆いている。
たとえばマスコミは、
放送法の許可取り消しを政府からちらつかせられると、
一致団結して権力の番犬として戦うのではなく、
逆に従順な家犬のようにシュンとしてしまう。
日本はロシアや北朝鮮とは違う。
政府にたてついても命を失うわけではないのに、
敢えてリスクを取って正論を言う人間がいなくなった。
組織の横並びの論理で、
悪目立ちしないように誰もが振る舞う結果、
組織はクズ化する。
権力者のケツの穴でも舐めるようになる。
そこに矜持もへったくれもない。
「強きをくじき弱きを助くヒーロー」は消え、
「弱きをくじき強きを助くポジション取りのクズ」ばかりになる。
今の日本から「ヒーロー」は消えた。
何より、勇気がない。
気概がない。
意気地がない。
なぜ、こうなってしまったのか。
内田さんは、
「戦前・戦中派がいなくなったからじゃないか」と言う。
戦争を経験した先の世代は、
「自分たちに勇気がなかったから、
国がおかしな方向に向かったとき、
声を上げなかった。
その帰結として国は焦土と化した」
という悔恨の思いがあった。
「あのとき私に勇気があれば」
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