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の 「野良犬」
インドやアフリカにいくと「野良犬」がいることにけっこう驚く。インドもどんどん変わってきているとはいうけれど、最後に行った2019年のデリーとバラナシには少なくともまだいた。いや、めちゃくちゃいっぱいいた。たまたま入った南インド系のカレーのお店で、オープンテラスもいいかなと思っていたら、野良犬が5匹ぐらい集まっていたので狂犬病とか怖いしなと思って店内で食べた。
とはいえ野良犬ってけっこう好きで、インドやアフリカに行くと野良犬を観察する。野良犬は飼い犬とは違う顔をしていて、ひとことでいうと賢そうだ。生き抜くために自ら考えていないといられないという顔をしている。目は鋭く、したたかさと恐怖心と攻撃性を内に秘めている。飼い犬は目がとろんとしていて、安心しきっていて、ゆえに野良犬のしたたかさを備えていない。
生まれたときから生命の危機からも野良犬との対峙からも遠ざけられた我々令和の日本人は、もしかしたら飼い犬みたいな顔をしているのかもしれない。性格は穏和でとろんとしているけれど、したたかさも攻撃性も鋭い眼光もない。昭和の田舎育ちの僕の場合、ギリギリ小学生までは街に「野犬」がいた。「野犬に気をつけよう」とい注意喚起のプリントが小学校で配布されていた。僕たち子どもだけで「野良子ども」として暗くなるまで野山を駆けずり回って遊んでいた。野良犬のいる社会とそうでない社会で、人間の性質も異なってきそうな気がする。
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