し 「シャツ」
シャツに特にこだわりはないけれど、シャツは好きだ。いや、シャツ一枚で出かけられる季節が好きだ。僕がここで言っているのはいわゆるワイシャツというやつなのだけど、スーツの下に着るようなシャツから丈夫な綿でつくられたオックスフォードシャツまでいろいろある。僕はオックスフォードシャツが一番好きで、さらっと一枚で出かけると気分が良い。
筋トレをしすぎて胸囲が100センチ超えになってしまったので、XL以下は基本的に入らなくなってしまった。すると、袖が今度は長くなって、僕はたいていシャツの袖を1、2回折り返して着ることになる。それでもサックスブルーやホワイトのオックスフォードシャツは好きだ。キャップをかぶって外すことも、革靴にしてドレスよりにすることもできる。黒パンツ、白シャツ、という「無課金」みたいなコーデを基本に、スニーカーにするか革靴にするか、キャップをかぶるかカーディガンを羽織るか、みたいにしてファッションを組み立てるのは楽しい。
ところが、である。気候変動、地球沸騰の日本で、「シャツ1枚で出かけれる日」って、年に数日しかなくなった。いや、客観的事実はどうなのか知らんけど、主観的にはそう感じる。なんかこの数年、春服、秋服を着る日がまったくなくなってきた。「Tシャツ短パンでも暑い日」と「ダウン着ても寒い日」が、年間の95パーセントを占めているような気がしている。二つの「長く過ごしにくい季節」の間に、テレビコマーシャルのように短い「春と秋らしきもの」が差し挟まれる。もはや日本は「四季の国」ではなく「二季の国」になったと僕は思っている。
かくしてシャツの登場頻度は減る。気候変動はファッションをもつまらなくする。今後、冷却ファンを搭載した服で、めちゃくちゃ格好いいやつとか出るんだろうか。暑さにめっぽう弱いので興味はあるのだけど、あれにはまだ手を出していない。悩ましい。さしあたり悲鳴を上げている地球を大事にしよう。
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