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「同族嫌悪」と「ライバル意識」
「争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない」
よくネットで引用される漫画の有名なセリフであるが、まさにその通りで。
良い言い方をすると「似た者同士」、悪い言い方だと「同族嫌悪」だろうか?
この「争い」というのは、トップレベルだと…例えば陸上の桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手、山縣亮太選手らによる0.1秒のしのぎを削る「日本一足の早い男の座」を巡る争いとかでドラマになりそうな話だが。
底辺も底辺…「食えてはいるけど売れてない」レベルの放送作家同士の椅子取りゲームなんて、とても見ていられるもんじゃない(苦笑)。
そんな放送作家業界だが、このコロナ禍による広告不況で「大御所の域に到達してない中堅」や「年齢がいってる若手」など替えがきく人材やギャラに見合っていない人材、切っても番組に影響しなさそうな人材のリストラが加速しているように感じる。
このnoteでも書いたが、10年以上番組に貢献してきたにも関わらず、リニューアルに伴って突然クビを切られるなんてザラになってきた。
じゃあ、お役御免にならないために…ライバルに勝つためにはどうしたらいいのか?
おそらく「加点される」ことより「減点されない」ことの方が重要になっているのではないかと。
つまり…「スタッフに嫌われない」という。
昔は、仕事でミスをしたADさんがいると「ちゃんとやってくれよ!」と怒れた。
が、今はパワーハラスメントとかいう以前に、仕事でのミスを怒りにくくなっている。
その子が「仕事が出来てなかった」という怒られて仕方ない理由があるにせよ、相手からしてみれば「ウザい人」「何か嫌」という印象がついてしまい…。
例えば「予算の都合で1人、作家を切ることになった」という時、同じレベルの実力・評価なら、真っ先に印象の悪い方…ADさんへの聞き取り調査などで評判がよろしくない作家が切られることになる。
(上の人は意外と調査しているらしい)
ましてや、このご時世…企画書営業するのも大変なので絶対に切られたくない。
ゆえに「優しい【中堅〜年配】放送作家」が増えているような気がする(苦笑)。
本当に売れている放送作家は【天上界】…神の世界にいるため「崖を登ってくる人を蹴落とそう」なんて思わず、ADから若手作家まで…優しい言葉、愛のあるツッコミで温かく見守ってくれる。
が! 下の下にいるガチ底辺作家は【餓鬼界】…魑魅魍魎が跋扈する世界にいるため「あいつを蹴落としてでも這い上がらねば!」と必至になるがゆえ、同族嫌悪などといった現象が起きるのではないかと。
あと若さや無知がゆえの”尖り”というか”イキリ”みたいなのも多少ある。
上手〜く「ライバル」として切磋琢磨できればいいんだけどね。
実際問題、生活がかかっているとそうも言っていられない場面だってあるさ。
あ〜やさしくなりたい。