「馬毛島」をめぐる市長と市民の苦悶――軍事基地建設で揺れる鹿児島県西之表市で《前編》
この地で今、起きていることをほとんどの国民が知らずにいるのは、どう考えてもおかしいと思う。「基地」をめぐり、沖縄同様のニッポンの現実が、ここから見えているのだ。「鉄砲伝来」で知られる鹿児島県・種子島。その沖合にある馬毛島――。その島がほぼ丸ごと、自衛隊とアメリカ軍が共同使用する巨大軍事基地にされようとしている。2023年1月12日、防衛省は基地の島での本体工事に着手した。一方、基地反対を掲げて当選した市長は計画への賛否を明確に表明せず、反対派の市民らは厳しく批判。昨年末には