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【かんたん5分】永世中立国についてサクッと基本解説!

皆さんこんにちは、shunGoです!

今回は、皆さんも一度は聞いたことがあるであろう「永世中立国」についてです。


皆さんは永世中立国と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?

・スイス
・戦争しない国
・他国同士の争いを割って止める役割を持つ国

このようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?


今回の記事を読み実際の永世中立国の姿を知ると、「そうだったんだ!知らなかった!」と意外な側面にも気が付けると思います。

私自身も皆さんと同じような認識でしたが、調べてみると思っていた姿と全く違って非常に良い勉強になりました。

なので、ここでは理解力に乏しい私自身に向けて書くように、なるべく分かりやすくまとめているので是非最後まで読んでみてください!(^^)

①永世中立国とはどんな国?戦争はしないの?



まず永世中立国とは、一体どんなことをする国なのかについて基本解説です。
永世中立国の定義や証明と言うのはなかなか難しいですが、とても簡単な言葉で短くまとめると、

・自分から戦争は絶対に吹っ掛けない、だけど攻められたらやり返す国
・他国同士の戦争には干渉・参加せず、中立の立場をとる国

となります。

ここで、「え?永世中立国って場合によっては戦争するの?」
と気づいた方、その通りです。

あくまで、”自分からは戦争を仕掛けない”だけであり、他国から手を出され攻められた場合は他の国々と同じように抗戦します。

そして、永世中立国は他国同士の戦争には首を突っ込みません。
誰の味方でも無ければ、誰の敵でもないのです。

そのため、他の国々が結んでいるような軍事同盟や安全保障条約という関係は
結びません。

鋭い方はここで気がつくかもしれませんが、永世中立国というのは”戦争に参加しない中立を保つ国”と、聞こえは良いかもしれませんが逆に言えば「仲間がいない」訳です。どの国とも同盟関係を結ばない訳ですから、いざとなった時に頼れる味方がいません。

だからこそ、永世中立国は強くないといけないのです。

後にスイスについて記載するときに具体的な防衛力について詳しく解説します。


②永世中立国として認められている国々


ここまで簡単に永世中立国がどんな国のことを指すのかについて書いてきましたが、実際に世界にはどれくらいの数の永世中立国があるのでしょうか?


永世中立国というのは自ら宣言して
「はい、今日から私たち永世中立国です!」と言うわけにはいかず、国際的に認められる必要があります。

もっと厳密に言えば、自ら宣言するだけで永世中立国を名乗ることは可能ですが、永世中立国としての機能や役割を果たすためには周辺諸国から認められる必要があります。やはり、自称だけでなく他者から認められている方が信頼度がありますよね。

現時点で、周辺諸国から永世中立国として認められている国は世界に4ヶ国あります。その中でも皆さんの多くが知っている世界最大の永世中立国はスイスです。他にヨーロッパのオーストリア、アジアのラオストルクメニスタンも永世中立国です。

また、周辺諸国から認められていないものの自らを永世中立国と名乗る国もあり、ヨーロッパの小国リヒテンシュタインや中米のコスタリカなどがそうです。


③永世中立国スイスは実はめちゃくちゃ強い!?


世界には永世中立国がいくつか存在する中で、圧倒的な存在感を放っているのがスイスです。

スイスは19世紀初期から今に至るまで、永世中立国としての立ち位置を維持し続けている世界最古の永世中立国です。スイスは、多くのヨーロッパ諸国が加盟するEUやNATO、2002年までは国連にも加盟していませんでした。

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スイスというと、アルプスのハイジやマッターホルンなどの大自然を思い浮かべ、穏やかな国というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実はスイスの国全体としての軍事力・防御力はかなり高いものを持っており、ただ穏やかな訳ではありません。

その軍事力・防御力の高さを示すいくつかの具体例を挙げると、以下の通りです。

・国民男性全員に対して徴兵制度があり、兵役の義務がある
・各家庭に武器が支給されており、緊急事態の時には一般国民が兵士となる
・総人口に対する軍隊の割合が高く、約20~30万人の兵隊を3日以内に配備できる
・総人口を上回る数の核シェルター(核攻撃から身を守れる空間)が設備されている
・他国から攻められたら最悪の場合自国の領土を燃やし全てを消失させ、相手に損をさせる、あるいはそう思わせる(焦土作戦)
・鉄道や橋、道路などの国内インフラに約3000の爆破箇所が設置されている
・道路は極力長い直線になるように作られ、緊急時に航空機が離着陸できる


これらの軍事力や用意周到な防御能力を誇っている理由は、先述した通りどこの国とも同盟関係を結ばないがゆえに味方がいないからです。

自分たちのことは自分たちで守り切らなければならない。

だからこそ、長い期間知恵を振り絞ってここまでの防御力を築き上げてきました。時には、一般国民でも身を投げて国を守る、最悪の場合は自国の領土を犠牲にしてまでも敵に何も残さない、そんな覚悟を持った国なのです。

永世中立国とは、ただ声高らかに平和を謳っている訳ではなく、むしろどの国よりも強い覚悟を持った国なのかもしれません。


スイスは地理的にも内陸にあり、四方を他の国々から囲まれており、ある意味で攻撃されやすく非常に危険な位置にある国でもあります。

しかし、国土の南北に山脈が存在し、人々の居住地の多くは山脈の内側にあるため侵攻されづらいのです。また、歴史的に兵士を海外に送り込む傭兵制度を通して兵士を強化してきたことから兵士の能力が高くなり相手から攻撃されなくなったとも言われています。

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そんなスイスだからこそ、そもそも「相手に攻撃させる意志すらも削ぐような防御力」を地理的にも国家努力的にも構築できたのかもしれません。

④永世中立国であることの意外なメリット



永世中立国であることで得られるメリットは他にもあります。
それはスイスから学ぶことができます。

「永世中立国=戦争に加担しない」ということが国際的に認められているということは、戦争などの緊急事態があった時に備えて大事なものをスイスに預けておけば安全だろうと世界中の国が思うのです。

そうなった時にスイスに集まるのが、「お金」です。

世界中から様々な国の通貨が永世中立国スイスに集まったことで、スイスは金融業を大幅に成長させてきた歴史があります。個人の富裕層だけでなく組織からも、その安全性に着目され多くのお金がスイスに集まってきたと言われています。

そりゃ、自分の大事なお金を預けている国は攻められないですよね。この点からもスイスは他国から攻められづらいシステムが出来上がってるんですね。

また、先述した傭兵制度があったことで海外で戦ったスイスの傭兵たちが国内にいる家族のためにお金を送ったり預けたりする目的で、多くの銀行が設立された過去があるとも言われています。

④終わりに


いかがだったでしょうか?

永世中立国については学校でも習った方が多いと思いますが、知らない側面も多くあったのではないでしょうか?


2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、戦争が始まりました。
日本にとってもこの出来事は決して他人事ではなく、改めて国防について真剣に考えなければならないと突きつけられました。

そしてその中には、永世中立国という立場を取ればいい、という意見もあります。
日本が永世中立国になるのは無理があるという見方もされていますが、少なくとも参考にできる点はあるかと思います。


少しでも今回の記事が皆さんのお役に立てたら幸いです。


では、また!!!!!




【画像引用元】
https://withnews.jp/article/f0160508001qq000000000000000G00110201qq000013377A
・https://zz7zz.at.webry.info/201310/article_27.html
・https://www.travel-zentech.jp/world/map/switzerland/Map_of_Switzerland_and_neighboring_countries.htm


【参考資料】
・https://www.youtube.com/watch?v=RDWp6QAZDWI
・https://web.quizknock.com/permanently_neutral_country
・https://www.youtube.com/watch?v=U5GM6eDuyYk
・https://www.youtube.com/watch?v=jrq0p09jSTQ


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