札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (6)

華宮のオーナーから「建物の2階が空くけれど、やってみない?」と声をかけていただき、私はすぐにクラウドファンディングに申し込みました。いくつかあるサイトの中から選んだのはReadyFor。これは、知り合いの写真家さんが写真集を出すために活用しており、見慣れていたからという単純な理由でした。まずは申し込み申請から。誰でもがクラウドファンディングを気軽にスタートできるわけではなく、まずは審査があるのでした。

数日後、審査に通りました、と連絡が来ました。ここから本格的なスタートです。まずはページ作り。どのように自分の想いを伝えていくか。返礼品はどのような組み合わせにするか。ブログでは何をどのように発信していくと良いか。どんな写真が必要か。丁寧で具体的なアドバイスをいただきながらページを作っていき、修正をし…を繰り返して、2017年2月27日、サイトがアップされました。

今だから言えますが、実は俊太郎さんや友達に「大変だからやめたほうがいいと思うよ」と言われても立ち止まる選択肢を持たなかった私が、クラウドファンディングを開始した途端、急に自信を失いました。「なぜあなたが? もっとふさわしい人はいるのに」と言われるのではないか。「そんな趣味のカフェをやるのに、応援はできないなあ」と眉をひそめられるのではないか。本当に全く自信がなくなり、俊太郎さんを幻滅させてしまったらどうしよう、応援するよ!と言ってくださっている周りの方々を失望させてしまったら申し訳ない…そんな想いで初日を迎えました。

しかしそれは杞憂に過ぎませんでした。初日からどんどん支援者の数は増えていき、たくさんの応援メッセージに励まされていきました。1カ月半のチャレンジで、最終的には122名様からのご支援をいただき、128万1000円が集まりました。ここからReadyForに手数料を払い、約100万円が開業資金となりました。また、知り合いの紹介で商工会議所の方の力をお借りして融資を受けることも決まり、なんとか資金の目処がつきました。

もちろん場所が決まって、一人で黙々と準備をしていたわけではありません。まずは俊太郎さんにご報告をして、クラウドファンディングに挑戦して資金を募ることをお伝えしました。その時、「もし資金が集まらなくて足りなかったら言ってね」とおっしゃってくださったことが、何よりの心の支えとなりました。

また、oblaatの商品は必ず仕入れようと思っていたので、仕入れ元で出版社でもあるポエムピース社長の松崎氏に連絡。「oblaatだけじゃなくて、オリジナルのグッズも作っちゃったら?」という思いがけないご提案をいただき、制作が始まったのでした! こうして周りの方々からたくさんのアドバイスをいただき、お力もいただきながら、1速ギアから俊カフェが動き出したのでした。(続く)

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