機械仕掛けのコウノトリ 7
祖母自身はどう思っているのか?と私はその時聞いてみた。
返ってきた答えは
「抵抗感は確かにある。けれども、子供のためを思うのなら、良いことなのかもしれない」
ということだった。
祖母の時代、離婚は当たり前になり、母子家庭、父子家庭の貧困問題はさらに顕著となっていった。
収入差による生活環境の乖離や子供の教育システムの多様化も進んだ。
そのことにより親の要因による子供のあらゆる水準の格差が、数字でもはっきりとわかるようになり、客観的な視点を持つ機会が増えた。
だからこそ祖母は宇宙からこの日本列島を眺めているような見解を常に持っている人になれた。
それは祖母が様々な職業を経験し、さらに最終的にはカウンセラーとして悩める人達に向き合ってきたことも大きく関係していた。
祖母が常々言っていた言葉がある。
「優しさと自由は、時に残酷な未来を現実として人に叩きつけることがある」