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機械仕掛けのコウノトリ 14
アスファルトの整った平らな地面は不格好になだらかな凸凹の土に変わり、一歩足を進めるごとにその道は削れてゆく。
私が無数に踏みつけた砂はもう一粒でさえこの場所にはないのだろう。
と、かすかに残る理性は注意を促す。
それでも、私はなぜだか止まることはなかった。
少しだけ光の当たるベンチに腰をかける。
たった一つの街灯に得体の知れない虫が群がっている。
それは見たことのない景色だった。
光に惹かれて進むもそれは熱く焼かれた光のガラスに阻まれている。
何度ももがく羽音と定期的に鳴る軽い衝突音が私の目を釘付けにして離させてはくれない。
そのうち、一匹の蛾に焦点がさらに絞られた。
あれは私なのだと脳は鳴った。そして、進行を阻むガラスも私なのだと気づいた。
私の目からは一筋涙が流れていた。
表情はきっと何も変わらず、まばたきすらしていないはずだ。
今の私はガラスの方であり、流れる涙は蛾のもがきだ。
涙が流れようともわたしは変わらず眺め続けていた。
何も考えることはしなかった。