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原点を見つめなおすことと、考え続けること

こんにちは。

先日、僕が所属しているツノスポーツコミッションが運営する学校「ツノスポーツアカデミー」に所属する高校生たちと一緒に、高鍋町の宮崎県農業科学公園内にある「口蹄疫メモリアルセンター:宮崎県口蹄疫復興メモリアルサイト (miyazaki.lg.jp)」へ行ってきました。

我々ツノスポーツコミッション設立の原点は、口蹄疫被害で経済的にも精神的にも大きな傷を負った中で当時の町民の方々が尽力され、復興への希望のシンボルとして立ち上げたサッカーのPKの大会である「蹴‐1グランプリ」にあります。
そこから発展し、町役場、商工会はじめ主要部門が集まり検討会を1年間したうえで、スポーツを活用して地域の課題を解決していく団体がこの町にはあったほうが良い、という結果出来たのがツノスポーツコミッションであります。

僕は口蹄疫被害があった当時はまだ都農町にいませんでした。
なので、当時のことはニュースでよく見たのと、ちょうど大学を休学して1年間岐阜のサッカークラブでインターンシップをしていた時で、試合の時に義捐金箱を作成して来場者に募金をお願いしていた(まさにその担当者でした)記憶くらいしかありません。

体験者、当事者しかわからない苦悩や悲しみが当然あるとは思いますが、その時の雰囲気や計り知れない苦労をほんの少しでも感じ、学びたいなと考えていました。

本当は「語り部」の方にお話しいただきたかったのですが、現在はなかなか難しいということで、概要のVTRを見て館内見学したあと、最後に1時間ほどのNHK制作ドラマ「命のあしあと」を見ました。

このドラマがすっごくよかったです。
まだ見ていない方はぜひ。おすすめです。
ところどころフィクションはあるようですが当時の雰囲気や当事者の心の機微を見事に描いています。

口蹄疫は家畜の伝染病ですが、伝染病といえば我々人間もここ数年の生活に大きく影響を受けたコロナがありました。コロナを経験してからドラマを見たので見方も変わってきます。出来るだけ感染区域を広げないために囲い込みをし、まだ感染していない牛や豚にもワクチンを打ち、埋める場所が確保出来次第すべて殺処分する・・・いろんな立場の人の苦悩がそこには描かれていました。
どうすることが正解だったのか、誰もそれは知り得ないことだと思います。果たして落としどころがこれで良かったのかも・・・コロナも同じですね。

口蹄疫もコロナも「非常時」であったと思います。
「非常事」の物事には、常時と同じ思考であたってはいけません。非常時には非常時の考え方をしなくてはいけない。
しかし、あまりにも常時に慣れてしまった私たちは、いざ非常時になっても常時と同じような考え方をしてしまいがちです。
非常時には「今までこうだったから」というのが通用しない場合が多いです。

いま日本社会は、人口減少をはじめとして、誰も経験したことのない局面に入っています。環境問題もそうです。
その中で生きていくためには、今までの前提を疑う、今まで当たり前と言われていた価値観が本当に当たり前なのかをきちんと問うことが必要だと思います。今までの何が良くて、何が悪かったのか。もしくは何が時代に即さなくなってきているのか、を吟味する必要がありますが、そこに利益が絡むと見えづらくなってきます。今のマスメディアの状況はこれだと思います。
また、前例主義、権威主義、空気を読むことが日本人の特徴ですが、そこにあえて空気を読まず「水を差す」人間が必要だし、ちょっと立ち止まって考えてみよう、という人が必要だと僕は思います。立ち止まろうとすると、「待ったなしだ」とか「バスに乗り遅れるな」とか言ってくる声がでかい人間が必ず出てきますが、それは思考停止です。
思考停止しないよう、そして端的に「金儲け」しか考えていない人たちの言動に惑わされないよう、日ごろから考え続けることが必要だと思います。

こまつばら しゅん


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