ハリウッド映画の再上映のメリットとデメリットは?
アバターやロード・オブ・ザ・リング、トップガンなど、新作に合わせてシリーズの過去作の再上映が頻繁に行われていますね。
2022年11月にはマーベルのブラックパンサー2作目に合わせてMCUの過去作が再上映予定。
この再上映の流れについて、そもそもなぜ映画館で過去作を上映するようになったのか、それと再上映のメリット・デメリットをまとめていきます。
再上映の流れはいつから?
これは新型コロナウイルスが蔓延した初期の新作ハリウッド映画の制作がストップしたタイミングですね。
撮影や編集が遅れたことにより公開が延期。しばらくして映画館の営業は再開するも、新作が公開できないということで、過去作の再上映が始まりました。
例を挙げると、2020年に公開されたクリストファー・ノーランの「テネット」。
この作品はコロナの影響で3度も延期されました。しかし、公開できなかったときにノーランの過去作が再上映。
日本では「ノーラン祭り」と題して、ダークナイトやダンケルク、インターステラーなどがIMAXで再上映されていました。
テネットの前に、公開当時見れなかったダークナイトやインターステラーをIMAXで初めて見れたことを覚えています。
毎年5,6本の新作を出していたマーベルのMCU作品も2020年には新作が1つも出ず。代わりにアベンジャーズ1作目やシビルウォー/キャプテン・アメリカなどが再上映。
このときの反響や売上が良かったのか、再上映の流れが2021年、2022年と引き継がれています。
2021年末に公開されたマトリックス4作目の前に1作目のIMAXが再上映。
そして2022年には既に以下の過去作が再上映されていますね。
アバター(アバター/ウェイオブウォーターの公開記念)
ロード・オブ・ザ・リング3部作(ロード・オブ・ザ・リング/力の指輪の配信記念)
トップガン(マーヴェリック大ヒットに合わせて)
再上映のメリットは?
では再上映するとどんなメリットがあるのか。
映画館で新作の予習ができる →シリーズ作品の新規参入がしやすくなる
公開当時見れなかった作品を見ることができる
公開当時できた体験をもう一度味わえる
ハリウッド超大作は映画館で見てこそということを実感してもらえる
まず、映画館で過去作をやることで、それがそのまま予習になること。
配信サービスが普及して誰でも簡単に過去作を見ることができます。
しかし、どれを予習していいかわからなかったり途中で挫折してしまったり、自分一人の意志で予習するのはなかなかハード。
それを映画館で時間を押さえてお金さえ払えば、半強制的にできてしまうのはいいかなと。
今回のロード・オブ・ザ・リングは、力の指輪前に映画館で3作品見ればOKですね。
このシリーズはアマプラで見放題で配信されていますが、上映時間やテンポ的にも配信サービスに張り付いて3作品予習するのはかなり厳しいかなと。
シリーズ作品が増えてきた中で、何を予習すればいいかわからんという問題を解決し、新規参入もしやすくなるのもいいこと。
他のメリットとして、年齢や映画にハマったタイミング的に公開当時見れなかった作品を映画館で見れてしまうのも大きいですね。
個人的に、マトリックス1作目とダークナイトを映画館で、しかもIMAXで初めて見れたのは嬉しかったです。
過去に映画館で見た映画も、アバターのIMAXリマスターなど、バージョンアップした状態で見ることができるのもあり、当時とはまた違った感情が出てきて面白いです。
そして、制作側のメッセージとして「映画は映画館で見てほしい」というのがあるんじゃないかなと。
配信サービスが広まって影響で、昔以上に「もう映画館に行く必要なくない?」という人が増えていると思います。
そういう方に、「映画は大画面の大音響の中で見たほうがいいな」という印象を与えられるかどうかは非常に重要。
新作よりも過去作の再上映のほうが新規参入しやすいのも合わせて、再上映により映画館に足を運ぶ人が増える可能性はあると思います。
再上映のデメリットは?
では再上映のデメリットは何か。
これは単純に、再上映が行われる代わりに新作映画が1つ上映できないということ。
再上映が続いているので、あまり売れてない新作を上映するよりも過去作を再上映したほうが儲かるのでしょう。
しかしこれをOKにしてしまうと、新作映画が減っていく一方です。
もしも再上映のためになくなった1枠が、新米監督、新米俳優の登竜門のためのものだったら、次期スター候補は生まれにくくなりますね。
ここ最近はロード・オブ・ザ・リングやアバター、トップガンなど、再上映を頻繁にやってますが、もしもこれらの作品がなかったら新作映画がもっと見れたということです。
そう考えると、必ずしも再上映がいいとは言えませんね。
まぁ再上映のメリットは大きいので、新米監督・俳優の場所が失わない程度にやってほしいと思います。
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