ミラーミューロンでイメトレ！！

特に今の時期，実際に練習やトレーニングができないことが多いのではないでしょうか？今回は，イメトレの効果や有効性を話そうと思います．

模倣学習

　新しい技術を身につけるのに効果的な練習方法に，模倣学習があります．模倣学習とは，モデルの動きを観察して，その観察した動きを”マネ”することによって練習する方法です．かなり原始的な方法で，ヒトは生まれて間も無く，模倣して学習を開始します．新生児は，観察したか表情や，舌の動きを模倣します．これを”新生児模倣”と言います．さらに，子どもが言葉を覚えるのも，親の音を聞いて模倣することによって学習されます．このように，ヒトは生まれてすぐ，模倣学習を開始し，様々なことを学習します．この模倣学習で重要になるのが，ミラーニューロンです．

ミラーニューロン

　ミラーニューロン(システム)とは，はじめにサルで発見された，他者の行動を観察するときに，実際にその行動を行うときと同じ脳の一部分が活性する部位(システム)のことです．つまり，実際にその行動を行なっていなくても，脳はその行動を行なっているときと同じような活動をするのです．したがって，実際に，その行動（練習）を行わなくても，脳は練習してくれるというわけです．このミラーニューロンは，動きを観察しなくても，イメージするだけで，働くこともわかっています．運動学習においてミラーニューロンは，重要な役割を持っていることも示唆されています．ミラーニューロンシステムは、適切なトレーニング運動の身体的パフォーマンスを促進することにより、運動学習を促進します．つまり，ミラーニューロンが活性することによって，脳から筋に送られる指令が，観察したモデルと似たような指令になり，適切なパフォーマンスをすることが可能になるということです．

　会得したい技術を観察し，模倣する方が効率的ですが，観察するだけでも良いし，ただ，イメージするだけでも意外と効果的に練習することができます．

　さらに，このミラーニューロンは，他者の行動や，意図を理解するのにも重要です．例えば，ペンを持って周りを見ていたら，その人が，何をしたいか，わかりますか？おそらく，紙を探しているのかもしれません．こういった行動の理解にもミラーニューロンが役に立ちます．

　模倣学習させることによって，特に子どもの社会性の発達にも役に立ちます！