面白ひい婆ちゃん伝説 窃盗編
自分には面白ひい婆ちゃんがいた。102歳で亡くなってしまったのだけれど、とにかく近所でも有名で、とにかく自由に生きていたひい婆ちゃんは数々の思い出を残してきて、いまだに話題に上がる人物である。
例えば、中学生の夏休みにおばあちゃんの家に遊びに行っていた時、外から帰って来てリビングにチョコのクッキーがあることに自分は気づいた。おばあちゃんに聞いたら、近所の葬儀でもらったものらしい。クッキー1つ1つが袋に包装されているタイプのクッキーで、食べようと1つ開けた時に、どうせならコーヒーと一緒に食べたいっと思い、コーヒーの準備をした。そしてコーヒーの用意も済み、完璧な状態で食べようとまず、コーヒーをすすっていたら、畑の世話をしていたひいばあちゃんが帰ってきた。「あーえらい、えらい(疲れたという意味)」と言いながら、自分の後ろを通り過ぎるかと思ったら、「何じゃい、そりゃ」と開けたクッキーを手に取り、聞いてきた。
自分「クッキーだよ、おばあちゃんがもらってきたって」
ひい婆「くっきー、、、あー甘いやつかー。あんな、あんまり甘いやつ食べちゃあかんよ。薬が効かんくなるからなー。ばあばはなぁ、野菜をたくさん食べてたから大きな病気にならず、、、、、(以下略、100回以上聞いた長生きの秘訣)
10分後
、、、だからな、あんまり甘いもん食べるんじゃないよー」
自分「うん、わかったわかった。ちゃんと野菜も食べるよ」
ひい婆「じゃあ、わしゃぁもう部屋に行くでよ」
そう言って、ひいばあちゃんは持っていたクッキーを咥えて部屋に戻っていった、、、自然な手口でまんまとやられた。
ひい婆ちゃんはこんな人だと知っているので、なぜコーヒーを用意する前に食べなかったのかと自然と後悔している自分がいた。野生動物に食べ物を取られたのと同じ感覚だった。