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素直さこそ最強

僕は人材紹介ビジネスに携わり、これまで500人近い方に会ってきました。
その中で感じた、転職が上手くいく人と上手くいかない人の違いの一つが、『素直さ』を持ち合わせているかどうかです。

素直な人は成長が早いし、周りの人からも好かれる傾向にあります。
最近転職活動を終了された候補者さんを例に、『素直さ』とは何なのか、考えていきたいと思います。

素直さとは

ビジネスにおける『素直さ』とは、下記の一連を繰り返すことができることだと考えています。

  • 自分の思い込みを排除した上で、他人の意見や教えを受け入れることができる

  • 他人の意見や教えを行動に移すことができる

  • その行動の結果は自分の責任と思える(失敗したとしても)

  • 失敗した場合、原因と対策を考えた上で質問することができる

一つ目、「自分の思い込みを排除する」というのは結構大事なポイントなんじゃないかなと思います。

他人に教えてもらったことが、自分でネットやSNSで見たことと違う場合ってあるじゃないですか。
この時に、「あれ、この人の言ってることズレてるな」と思ってしまうと、素直さからは遠ざかってしまいます。

そして二つ目が、行動できること。言われたとおりに実行できることも、「素直さ」の重要な要素だと思います。
多くの人が、自分の解釈を入れて行動をセーブしてしまいます。

三つ目、素直な人は、その行動の結果を自分の責任として考えます。特に失敗してしまった場合です。

他人に言われてとった行動であれば、その結果は他人のせいにしたくもなりますよね。それでも、素直な人は自分のプロセスに問題があったと考えることができるんです。

最後に四つ目が、まずは失敗の原因と対策を自分で考えた上で、もう一回聞きに来てくれることです。いきなり次の答えを求めない、というのがポイントです。

また、そのアドバイスをくれた人を「この人の話を聞いても無駄だ」と見下すこともありません。

素直さを武器に6社からの内定を獲得

最近転職支援をさせていただいた候補者さんの素直さがとても高かったので紹介します。

彼は29歳のインフラエンジニア。今は2社目で、前職は公務員でした。こう言ったら失礼ですが、無名の企業に所属していて、正直ご年齢に対してスキルも低かったです。

第一志望は大手SIerのA社と競合のB社。最初の面談でそれを聞いた時、僕は「だいぶキツイなー」と思っていました。(結果的に、僕の見立ては外れました💦)

私からの提案は、第一志望としてA社とB社は受けていただき、現実的なラインにあるC社、D社、E社も受けてもらうことでした。
彼は、転職市場のなかでは自分のスキルが弱みになることをしっかりと認め、私が提案したプランも理解して受け入れてくれました。

応募書類のブラッシュアップも素直に行なってくれました。「A社B社に提出するのであれば、○○をもっと具体的に書いてください」というオーダーにも、すぐに対応してくれました。
結果的にどちらも書類通過、面接に進むことができました。

他の人だと、「このまま書類提出したいです」と謎のこだわりを見せ、見事に散る人もいます。

面接を受ける順番についても工夫するよう、私から提案しました。志望順位がある程度明確なのであれば、志望順位が低い企業から先に面接を受けてほしいというものです。
志望度が高い企業の面接の前に、場数を踏んで欲しいからですね。

その注文にも、彼はバシッと満点回答してくれました。
そのおかげで、先に受けた面接で出た反省点を活かして改善することができ、いい形で本命企業の面接に臨むことができていました。

面接対策でも彼の素直さは健在でした。

僕がやる面接対策は、候補者さんの考えや経験をかなり深掘ります。そして、なるべくその場で考えてもらうようにしています。基本、持ち帰りはさせません。
それでも、「後で考えます」と逃げてしまう人も一定数います。

一方で、彼は逃げずに一生懸命、「ああでもない、こうでもない」と考えてくれました。
面接対策のミーティングで出した宿題も、しっかりとこなしてくれました。

毎回の面接からも、彼は多くのことを学んでいました。面接後にいつも電話で話して反省会をしていたのですが、いつも能動的でした。
答えづらかった質問に対して、「○○と答えた方が良かったと思ってますが、どう思いますか?」と聞いてくれていました。

そんな風に聞いてくれると、こちらも答えやすいですよね。

そんなやりとりを繰り返し、彼の面接力はグングンとアップ!
もともと持ち合わせていた人間性の高さも評価され、見事A社とB社両方とも内定を勝ち取りました。

結局、他のエージェントから受けていた企業も含め、合計で6社の内定を獲得しました。
最終的に行き先を決める際は「こんなに内定を貰えると思ってなかったんで、悩みますね。。。」と言っていましたが、その顔は充実感に満ち溢れていました。

素直さがもたらす好循環

「素直であってほしい」というのは、盲目的に言うことを聞いてほしい、というわけではないんです。

でも、アドバイスやヘルプを求めたからには、それを一旦は受け入れて試してほしいなとは思います。

人生で転職する回数はせいぜい4~5回でしょうか。もちろんもっとする人もいますが。
20代でいえば、1回が相場です。

一方で我々のような転職エージェントに所属する人たちは、年間100人以上の方の転職活動を見届けています。

そのため、一般的な転職希望者と我々との間に情報やノウハウの差があるのは当然だと思います。
それを素直に認めて行動に移せる人は本当に強いなと思いました。

しかも応援したくなる。素直な人には、僕が知ってることや経験したことを一つでも多く吸収してほしいと思えます。

彼の成功を、まるで自分事のように願えるんです。
こうやって素直な人は周りの人に好かれていくんだなと実感しました。

そしてますます成長していく。

素直さこそ最強、自分にも言い聞かせていきたいなと思いました。

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