SHUN NAKAGAWA

19歳、資本金0円でアパレルブランドが上手くいってしまった話。 舞台は2002年の東…

SHUN NAKAGAWA

19歳、資本金0円でアパレルブランドが上手くいってしまった話。 舞台は2002年の東京。主に失敗談を書いてます。 サイト閉鎖に伴い、BUNCA Columnにて公開されていたコラムも掲載します。 ※BUNCA側には転載を快諾頂いてます。この場を借りて感謝申し上げます。

最近の記事

19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.09

〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。22歳で原宿にオープンさせた直営店“ADD”の運営に四苦八苦しながらもなんとか1周年を迎えていた。 2006年 10月 気が付けばADDも1周年。 盛大に行った去年のレセプションパーティーとは異なり、この年は1周年パーティーを行わなかった。 記念日を忘れていた事もあるが、何より人が来なそうな気がしていた。 レセプションに来

    • 19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.08

      〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。様々な取引先にお世話になりながら売上を伸ばしていき、2005年に原宿に直営店“ADD”をオープンさせる。しかし、オープンから1週間経ち売上はまだゼロであった。 2005年10月 オープンから一週間経過し、売上ゼロという悲惨な状況でありながらも僕は何故か少しも焦っていなかった。 それは巻き返せる自信があったからでは無く、ただ根拠

      • 19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.07

        〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。2004年、新しく原宿にオープンした“device tokyo”に取り扱ってもらえる事が決まり順調に売上を伸ばしていったが、どうしても直営店を出したいという想いからノンちゃんの反対を押し切り、独断で店舗物件の契約を進めていた。 2005年8月 ブランドデビュー当時は19歳のクソガキだった僕とノンちゃんも気付けば22歳になっていた

        • 19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.06

          〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。メインの取り扱い店舗であったCANNABISから取引終了を告げられてしまったが、翌シーズンの展示会で新しく原宿にオープンした“device tokyo”に取り扱ってもらえる事が決まった。 2004年1月 京都のセレクトショップ“device”が東京進出して立ち上げた“device tokyo”は大成功し、連日多くのお客さんで賑わ

        19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.09

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.05

          〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。全国に取引先を拡大していきつつも工場生産に失敗し、一時通帳の残高は65円に。そこから奇跡的にV字回復をしたと思った矢先、今度はメインの取り扱い店舗であったCANNABISから取引終了を告げられてしまう。 2003年11月 不慣れな工場生産での大損失を乗り越えて、来シーズンの展示会に向けて準備をしていた2003年の秋。 来期のサ

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.05

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.04

          〜前回までのあらすじ〜 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。2003年、先輩“てっちゃん”のおかげで、念願だったCANNABISでの取り扱いもスタートし、初の展示会も成功した僕たちはビジネスを順調に拡大していた。 2003年6月 初参加の展示会で全国10店舗の新規お取り扱い先を獲得したこと以外にも、思わぬ収穫があった。 会期中に当時人気俳優のNさんが来場し、会場全体の視線が彼に集中して

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.04

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.03

          ~前回のあらすじ~ 2002年、当時19歳だった僕は、彼女のノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を立ち上げる。順調に売り上げを伸ばしていく中で、当時一番置きたかったセレクトショップへの商談の話が舞い込むことになる。 2003年1月 原宿の交差点にはまだGapがあり、その付近では頻繁に雑誌のスナップ撮影が行われていた。(今はそこに東急プラザがある) 当時は僕も度々スナップを撮ってもらっていたのだが、担当のライターさんやエディターさんに、ブラ

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.03

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.02

          〜前回のあらすじ〜 上京後、入学した服飾専門学校でコテンパンに打ちのめされた僕は、出会ったその日に付き合ったノンちゃんと一緒にブランド“banal chic bizarre”を始めることになる。 特にデザイナー志望でもなんでも無いノンちゃんが手掛けたドレープタンクトップが大ヒットし、僕たちは今までに手にしたことの無い額の資金を手に入れていた。 2002年11月 ドレープタンクトップが沢山売れた事で、金銭面以外にも大きく変わっていったことがあった。 それは取引先である

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまでVol.02

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまで Vol.01

          2002年、ファッションブランドを立ち上げるという事のハードルが今現在よりも非常に高かった時代の話。 メディアといえば紙媒体の事を指し、現代のようなSNSなんてまだ存在していなかったので、学生なんかがノリでブランドを始めたところでメディアへの掲載はおろか、セレクトショップへの取り扱いすら決まらないのが当たり前だった。 当時の僕は19歳。 上京して間もない田舎者である。 某ファッション専門学校への入学を理由に地元である長野県を飛び出し、単身赴任中だった父と同居する形で目

          19歳の“初期衝動”が“ビジネス”に変わるまで Vol.01