どうして俺は松本潤になれないんだろう
松本潤"さん"でした。たいへん失礼いたしました。
コロナが想像以上にしんどい。
布団から出られねーし、身体が熱くて寝られねーし。
ペンを握る力も無ければ、音読をするための喉もボロボロなので、英語の勉強はできない。細かい字を読む気力もないから卒論も進まない。
すなわち、やることがない。かたや友人は、居酒屋でエンジョイしてる様子をストーリーなんぞに投稿してる。
あーあ、症状が落ち着くまで、飲酒ストーリーを投稿する奴ら、みーんなミュートにしてやろうかな。嫉妬でおかしくなりそう。
あと恋人とのLINEトークを載せてる奴らも。こっちは症状落ち着いてもミュート継続で。
暇を持て余した俺は、禁断のサービスに手を出した。
Hulu(2週間無料トライアル)
神。
2週間無料って、完全にコロナでこもりきりの人間を想定したスパン。
Huluはwithコロナの現代社会を予知していた......??
もうあれやこれやと見まくったね。黒子のバスケって超面白いな。
球技苦手すぎて体育のバスケとか全く動けなかった。ガチモンの空気。
それを同級のアニメ好きな女子達に「黒子だ!」ってしょっちゅう言われてたことを思い出した。黒バス履修した今ならその意図が分かるけどさ、実は黒バス好きじゃないだろ、お前ら。
黒子くんは影の薄さを試合に活かしてんの。試合に参加できなくて、いないものとして扱われてる俺とは格が違う。
あと、緑間があんまり好きじゃない。テーピングだのラッキーアイテムだの準備する前に、髪切れ。
その前髪で3Pシュートの照準測るのは無理があるのだよ。ちゃんと人事尽くせ。
脱線した。ともかく黒バス面白すぎた。
『陽だまりの彼女』という小説をご存知だろうか。
高校受験の勉強に勤しんでいた中3の秋。地元の図書館の自習室が開くまで、図書館の本を適当に読んで時間を潰してた。単語帳でも見てろって。
その時偶然手に取ったのが、『陽だまりの彼女』。100ページほど読んだところで自習室が開いたので、内容はほとんど覚えてなかったし、なんなら結末も知らないまま、作品名すら忘れていった。
けどすっげーキュンキュンしたことだけ焼き付いてる。
時は流れて大学1年。
イケメンの友人Tくん(黒髪マッシュ・元軽音部)に貸してもらった一冊の本が、偶然『陽だまりの彼女』だった。19歳が読んでもなおキュンキュンしたので、結局Tくんに返したあと自分で買った。
大して本を読んだりしない俺がめずらしくハマってしまった、恋愛小説。
そして3度目の偶然。
Huluで目にとまってしまった、一本の映画。3度の偶然はもはや偶然じゃない。運命と言う他あるまい。
2013年に公開されてたらしい。どうして気づけなかったんだろう。
『陽だまりの彼女』
邦画のヒロイン、誰にも言えない"秘密"持ちがち。
中学で読んだ時も、大学で読んだ時も、そして映画を観た時も思った。
ほんっっっとに男子の、というか俺の妄想を、完璧に物語に昇華させてる!!!!!!!
勉強できなくて、おっちょこちょいで、小柄でかわいらしくって、たまーに僕が勉強なんかを教えたりなんかして、僕が冷たくあしらっててもまとわりついてくる、そんな僕にだけ人懐っこい女の子がいました!
10年後、互いに社会人になって再会。しかも超有能、超美人になってました!!
話を聞けば、大学時代も、社会人になっても、ずっと僕を探し続けていました!!!
モテない男は、いやモテる男も、誰もが妄想したことであろう、都合よすぎシナリオ。テストの空いた時間とかにね。
え、僕だけ??
「陽だまり」の名に恥じない柔らかい光の演出であったり、ビーチ・ボーイズの胸踊るBGMだったり、浩介と真緒の甘いやりとりだったり、とにかくキュンキュンした。ただでさえ発熱で身体熱いのに。
熱が一向に下がらないの、この映画のせいではなかろうか。
主演女優の、上野樹里さん。お初にお目にかかります。恋に落ちました。
髪型が最高。こういうのなんて呼ぶの、ふわふわボブ??日本でいちばん可愛い髪型が決まった瞬間だったと思う。
おまけに真緒の解像度が高い。
社会人モードの品のある佇まいと、プライベートの危なっかしくて奔放な振る舞い。品格と奔放さを併せ持つ、猫みたいな真緒の人柄がよく表れてる。名演。
そして、そんな稀代の女優と終始イチャイチャして、あまつさえちゅーまでしてしまう松潤。ちゅー!?
映画でちゅーするの、初めて見た気がする。普段映画を見ないというのが大きな原因だけれど。
ちなみにこの前観た『流浪の月』の、更紗と亮くんのちゅーはノーカン。亮くん嫌いだし、そもそも亮くんは主人公ではない。
これを読んでる方の中に、ドラマや映画の監督さんか、堀越高校の卒業生(芸能活動コース)がいらっしゃるならぜひお聞きしたい。
キスシーンって、実際にちゅーしてるんですか??
本当に不平等だと思う。というか、憧れの気持ちすら抱けない。生き物としてのステージがふたつくらい違うから。
かつてはF4のリーダーだった俺様松潤(読みは"おれさまつじゅん")に「草食系の鈍感男子」を演じさせる、ド贅沢キャスティング。そして、映画ではあんまし強調されなかったけど、鉄道好き。
鉄道好きに、横顔がこんなに綺麗な奴はいない。いるはずがない。
俺、緑黄色野菜よく食べるし、無神経だし、鉄道好きじゃないけど纏うオーラは鉄道好きと遜色ないし、浩介役は俺の方が良かったんじゃないかって、上野樹里さんとイチャイチャするべきなのは俺なんじゃないかって、そう思いながら観てた。
けど、2人のイチャイチャとちゅーを見ていく内に、俺の中に不思議な気持ちが芽生えていく。
上野樹里さんとイチャイチャできる松潤めちゃくちゃ羨ましいんだけど、松潤とイチャイチャできる上野樹里さんも、めちゃくちゃ羨ましいな。
いや、バイセクシャルではなく。いやいや、LGBTQを否定してるわけでもなく。男とか女とか越えて、人間として魅力的。なんなんだ、松潤。あのエロさ。
割とさわやかな恋愛映画だったのに、途中から松潤のことそういう風に見てた。
上野樹里さんと江ノ島デートしたいから松潤と入れ替わりたいんじゃない。
単純に、人間として、松潤になりたいのだ。あんな男が俺と同じ生き物だなんて、信じたくない。どうして俺たちは、松本潤になれないんだろう。
松本潤"さん"でした。たいへん失礼いたしました。
以上、僕が恋した小説であり、僕の体温を爆烈に上げてしまった映画である『陽だまりの彼女』の紹介、というか松本潤さんへの憧憬でした。
僕のように、寝込んだ時にでも触れてみてください。猫だけに。