「古畑任三郎 vs Creepy Nuts」の脚本を書いてみる
古畑任三郎とCreepy Nutsさんが好きです。以前2022年の11月14日回のオールナイトニッポンで盛り上がった妄想「vs Creepy Nuts」の回からなんだか書いて見たくなってしまいました。
タイトルは、「Stay tuned」
Creepy Nutsのお二人は本人役です。
稚拙な点も多いと思いますが、最後まで読んでいただければ嬉しいです。
「Stay tuned」
〈登場人物〉
古畑任三郎 ……刑事。
R-指定 (31) ……Creepy Nuts。MC。
DJ松永(32) ……Creepy Nuts。DJ。
五十嵐彰(32) ……松永の新潟の知人。
今泉慎太郎 ……古畑の部下。
○オープニングトーク
古畑任三郎と脇にはテーブル。
古畑「えー、ご無沙汰しております。皆さんはこういったものにご記憶ございませんか?(取り上げながら)龍の剣の形をしたキーホルダー、自作の漫画やポエムのノート、卒業文集の自己紹介文。
ふっふっふ。いわゆる黒歴史は消えることはありません。クロ(犯人)だった事実は消せないんです。残念ながら。
ちなみに私の黒歴史は……」
○タイトル
○コンビニ
レジへ向かう五十嵐。
五十嵐「(レジの奥見ながら)ねえ、プエブロないの?」
店員「プエブロ?」
五十嵐「タバコだよ」
店員「あー…ごめんなさい、ないみたいです」
五十嵐「チッ、なんだよ。じゃあ…アメスピのゴールド」
○N H K・外観(夜)
○N H K・スタジオ
「沼にハマってきいてみた」の収録中。
D Jプレイをしている松永。
顔でレコードを止め、エンドを決める
拍手するサーヤとスタッフ陣。
時計は深夜の1時12分を示している
○事務所・廊下
待ち受けに1時12分
表示される琥珀色のスマホ
スマホをポケットに入れ、廊下を進むR-指定
○公衆トイレ
黒ずくめの変装をするR-指定
○都内を走るタクシー
○河川敷・橋の下
橋の壁にはスプレーアート
治安の悪さがうかがえる
スマホを触る五十嵐彰。
L I N Eの画面には女性を誘うチャットが並ぶ
五十嵐に向かうR-指定、気づく五十嵐。
R-指定「あんたが五十嵐?」
フードとマスクを取るR-指定
五十嵐「え?R-指定じゃん!」
R-指定「松永は収録なんで。俺が代わりに」
五十嵐「優しい相方さんだねえ」
アメリカンスピリットの箱を出し、タバコに火をつける五十嵐。
箱を見つめるR-指定
五十嵐「何?吸う?」
R-指定「(首を振って)向こうで松永を客寄せパンダみたいに扱わんでもらえます?」
五十嵐「え?なに勘違いしてるの?俺は新潟を盛り上げたいだーけ」
R-指定「じゃあ今回のはなんですか?」
五十嵐「俺もお金なくてさぁ」
R-指定「いっときますけどこんなクソなリーク、犯罪ですよ」
五十嵐「週刊誌の倍の値段で買い取ってくれるんでしょ?」
R-指定、封筒を五十嵐に渡す。
五十嵐「女の子と歩いているテキトーな写真と(自分を指して)『関係者』のコメントって言えば、火のないところに煙は立つの」
煙をR-指定に吐きかける五十嵐
R-指定「(煙を払って)その時点で松永の友達と言えんと思いますけど」
五十嵐「今回だーけ」
五十嵐、中の札束を確認して。
五十嵐「優しい相方がいて松永も幸せだね」
五十嵐、タバコを咥えながら笑う
○N H K・スタジオ
R-指定を待つ松永。一瞬思いつめた表情。
サーヤに話を振られ、笑顔で話し出す松永
○河川敷
タバコを足元で踏み消す五十嵐
R-指定「今後一切、松永に関わらんといてくれます?」
水面の方を向く五十嵐
五十嵐「どうしようかなー」
R-指定、上着のポケットに手を入れる。
ゆっくりとハンマーを取り出す。
R-指定「ちょっと、万札落ちましたよ」
五十嵐「え?どこ?(R-指定に背をむける)」
R-指定、ハンマーを五十嵐の頭に振り下ろす。
地面に崩れ落ちる五十嵐。
五十嵐の頭部に血溜まりが広がる。
× × ×
R-指定、手袋をはめる。
死体を起こし、封筒と財布からお金を引き抜く
腕時計の時間を「3時10分」に早め、ガラスの風防面を地面の石に当てて割る
× × ×
電話をかけるR-指定
松永「……どう?」
R-指定「終わったで松永。念の為スタジオで目立つように長めにおっとけ」
松永「……ごめん。R…」
R-指定「ええよ、アイツは他の使い道もない大アホやったんやから。じゃあ、有楽町で」
× × ×
電話を切る松永。
2時少し過ぎ。
○ニッポン放送・外観
○ニッポン放送・スタジオ
「三四郎のオールナイトニッポン0」の放送直前
ブースにはCreepy Nuts。
3時前の時計を見て二人はアイコンタクトを取る
○車内
眠たそうにしている古畑
ニコニコでスマホを見つめる今泉慎太郎。
三四郎のオールナイトニッポン0を見ている。
古畑「君、君……!」
と、今泉のデコを叩く古畑。
今泉「いった」
古畑「うるさいよぉ。うちで見ないさいよ」
今泉「せっかくならHAKUNA Liveで見たいじゃないですか」
古畑「はく……?」
今泉「ラジオを映像で生配信してるんです。ほら」
古畑「誰の」
今泉「三四郎って芸人のラジオなんですけど、今日、ゲストがCreepy Nutsなんですよ!」
古畑「クリー…横文字が多いよさっきから」
今泉「Creepy Nutsです!(ラジオの映像が流れながら)ヒップホップアーティストの二人組で、こっちがラップ担当のR-指定さん、こっちがD J担当の松永さん」
古畑「ずいぶん若い子の曲も聞くんだね」
今泉「甥っ子が聴いてるのに影響されちゃって…(照れる)」
古畑「ふうん」
今泉「サボり方とか♪甘え方とか♪(歌い出す)」
古畑、今泉のデコを叩いて。
古畑「静かに」
○河川敷
停車しているパトカー、野次馬。
慌ただしく動く警察職員たち。
五十嵐の遺体を観察する古畑。
今泉「そこの壁にスプレーアートをしている若者たちが3時20分ごろ遺体を発見したそうです。後頭部をハンマーか何かで殴られたみたいですね」
古畑「ふーん」
古畑は遺留品に目をつける
取り上げたのは黄色いタバコの箱と…
クシャクシャになった別のタバコの箱
今泉「財布からお札が抜き取られていることから強盗の可能性もあります」
古畑「うーん…(鑑識ひとりに)あのー、君、タバコ吸うひと?」
鑑識A「はい」
古畑「(クシャクシャのタバコの箱を広げる)これ彼が持ってる箱と違うんだよ。違う銘柄を吸うことってあるの?」
鑑識A「いや、普通はないですね。店に売ってない時は似た味のを渋々買うことはあるかもしれません」
古畑「そう。ありがとう」
鑑識B「古畑警部、スマホの連絡履歴を確認したところ、松永という人物とのやりとりが……」
古畑「松永、松永……」
古畑、履歴を見つめる
○ニッポン放送・外観
○ニッポン放送・廊下
人やポスターを見てキョロキョロする今泉
古畑「中浦さんのラジオ以来だ…(今泉に)こら、ウロウロしないで」
立ち止まり、引き返す今泉。
R-指定と松永がスタッフと話している。
今泉「あー!」
気づくR-指定と松永。
松永「うん?」
今泉「Creepy Nuts!僕、ファンなんです!」
R-指定「ども、おおきに」
今泉「良ければ、サインを…」
古畑、今泉のおでこをはたく
古畑「えー、先ほど彼からいろいろ教えてもらいましたお二人の楽曲」
R-指定「どうも」
古畑「すごい滑舌でいらっしゃる。私の中では早口はスキャットマンで止まってまして」
松永「えーと、で、誰っすか?」
古畑「あぁ、すみません、我々警察で、古畑と申します」
今泉「(手を挙げて)今泉です」
松永「何か、あったんすか?」
古畑「五十嵐彰さん……松永さんはご存知ですよね」
顔が曇るCreepy Nuts。
古畑「お亡くなりになりました」
R-指定・松永「!」
古畑「先ほど河川敷で発見されました。2時から3時ごろだそうです」
時間を聞いてわずかに口角を上げるR-指定
松永「どうして…」
今泉「何者かに頭を殴られたんだそうです」
古畑「何か、心当たりありませんかね? 彼に殺意を抱いている人物とか」
R-指定「まぁ、恨まれてもおかしくない人やったんちゃう?」
松永「おい、R」
古畑「そうなんです?」
R-指定「松永から色々聞いてたんで」
松永「ええ、まあ……」
古畑「新潟のご友人だそうで。向こうではバーを経営されていて、派手な遊び方をして金銭トラブルも多かったとか」
松永の額に汗が流れる。
松永「ええ」
R-指定「いやーでも良かったんちゃうん?」
松永「おい」
古畑「良かった?」
R-指定「松永もよく向こう帰ると『個人的にライブやってくれ』とか『お金貸してくれ』とか絡まれてたらしいんで、かわいそうやなって思うてましたから」
古畑「いいんですか?そんな話を聞いても」
松永「ええ…いずれわかりますし、ラジオでネタにしたこともありましたから」
古畑「そうですか……あのー、事件発生時どこで何を?」
松永「え?疑われてんすか?」
古畑「お気を悪くしないでください。形式的なものです」
松永「2時20まではN H Kで収録、タクシーで移動して、ここには3時の10分前にはいました」
古畑「それを証言してくれる方は?」
松永「タクシーも運転手探してくれればわかると思います。俺、タクシーの中でイヤホン無くしたって騒いでたんで」
古畑「ありがとうございます」
古畑、会議室を去る。
一息つくCreepy Nuts。
古畑戻ってくる
古畑「あのー、すみません」
びっくりするCreepy Nuts
古畑「松永さんもう一つだけ」
松永「な、なんすか」
古畑「なぜアリバイを聞かれた時に不思議に思わなかったんでしょう?」
松永「え?」
古畑「五十嵐さんは普段、新潟にお住まいです。私は『河川敷で発見された』としか言わなかったんですが」
松永「! それは…」
R-指定「東京の刑事さんが来たら都内やと思うでしょ」
古畑「なるほど」
R-指定「そうやろ普通」
古畑「(微笑んで)おやすみなさい」
古畑でていく
ため息をつくR-指定。
○パトカー走行中の車内
古畑、窓の外を見て考え事をしている。
○ライブ会場・外観(日替わり・朝)
○ライブ会場・関係者通用口
タクシーが止まる。
私服のR-指定が降りてくる。
入り口で待ち構えている古畑。
古畑「どうも」
R-指定「なんやねん」
古畑「ラッパーの方って夜にだけ働いてるイメージでした」
R-指定「ライブのリハは流石に朝起きますよ」
古畑「松永さんは一緒じゃないんですか?」
R-指定「別にユニットって夫婦ちゃいますよ?」
古畑「えー…」
R-指定、古畑に向き直って
R-指定「あの、ライブの気持ち切り替えたいんすけど」
入場ゲートに近づくR-指定と古畑
警備に止められるR-指定
R-指定「(警備に)いや、うちらのライブやって…ほら(パスを見せる)」
警備がR-指定を通す
R-指定「なんで認識されてへんねん」
古畑は警察手帳を見せる。小走りで追いかける古畑
古畑「ご多忙なんですね」
R-指定「4月からは音楽に仕事を集中するので、少し落ち着きますかね」
「R-指定様」と書かれた楽屋貼り。
R-指定に続いて楽屋に入る古畑
古畑「一つだけいいですか」
R-指定「(不機嫌そうに)どうぞ」
古畑「ええと、先日亡くなられた五十嵐さんについて、R-指定さんが面識があったかご確認をと」
R-指定「俺ないっすよ、松永の話でしか」
古畑「そうですか。ええと写真が…」
古畑、写真をR-指定に渡す。
パーティの写真。
松永が数人に囲まれている
写真の松永は顔が引き攣っている
古畑、小銭を落とす
古畑「ああ、お構いなく…(拾いながら)それで写真にうつっている五十嵐さん、見覚えありませんか」
写真に指をさしかけて止まるR-指定。
R-指定「古畑さん、多過ぎて誰が五十嵐かわからへんて」
古畑「あ、そうですよね。ごめんなさい(立ち上がって)この方」
R-指定「やっぱわからんわ」
古畑「そうですか…」
R-指定「さっきから俺のこと試してませんか?」
古畑「いやいや、そんなことは」
R-指定「普通に強盗とかですって」
古畑「うーん、確かにお金は盗まれてました。しかしー、腕時計がそのままだったんです。お高そうな腕時計が。私なら一緒に奪います」
R-指定「気がつかなかったんじゃないんすか?」
古畑「または奪うと都合がわ・る・かっ・た」
R-指定「都合?」
古畑「たとえばー、死亡推定時刻をわかってもらうため、とか。…ごめんなさい引き止めて。では」
ドアを閉める。
タバコに火をつけ、思いっきり吐くR-指定
古畑「(ドアを開けながら)ちなみにー」
驚くR-指定
古畑「R-指定さんは、タバコはどの銘柄を?」
R-指定「タバコ?俺はセブンスターですけど」
古畑「どうも」
ドアを閉める
R-指定「なんやねん」
○公園・昼
イヤホンで何か聴いている古畑
今泉「古畑さーん」
古畑「どう?彼らのアリバイ?」
今泉「まだです。しかし、松永さんの方は全て裏が取れました。タクシー運転手も覚えてました。『俺はイヤホンを無くしすぎている、だから純正のイヤホンに似た安物を使ったこともある』とか車内で騒いでいたそうです」
古畑「移動中も彼には無理」
今泉「松永さんが人を殺すわけないですよー」
古畑「今泉くん。そのスタッフの人に話聞ける?」
○Creepy Nutsの事務所・玄関(夕)
松永が機材を持って出てくる。
タクシーに乗り込む。
松永「日比谷まで」
古畑、タクシーに乗り松永の隣に座る
古畑「ご一緒してよろしいですか?」
松永「!」
○タクシー・車内
首都高を走るタクシー。
古畑「R-指定さんは?」
松永「個人の収録があるみたいです」
古畑「そうですか。お二人それぞれでも売れっ子なんですねー。ちゃんと眠れてます?」
松永「いや、ラジオがもうすぐ終わるんで寝れると思うんすけど、夜中のトイレが怖くて。俺めっちゃ頻尿なんすよ」
古畑「ふふふ」
松永「あの、俺、まだ疑われてます?」
古畑「私はあなたは犯人でないと思ってます」
ほっとする松永
古畑「ただ」
松永「ただ?」
古畑「あなたのアリバイが完璧すぎるのが気になります。えー、あなた、ラッパーよりおしゃべりな方だそうで」
松永「いいじゃないっすか」
古畑「あの晩は特に人に話しかけて注目されたがっていたそうで、テレビ・ラジオのスタッフ両方に確認しました。サーヤさんは『まるで意中の女子が校庭にいるときだけ危ないブランコの乗り方をしている小五』だったと」
松永「リスナーと同じ感性かよ」
古畑「普通アリバイを尋ねたら、誰しも空白の時間や記憶にない時間があります」
松永「完璧すぎるってことですか」
古畑「ええ」
視線を外にやる松永
○某テレビ局・楽屋
ライブ衣装に着替えたCreepy Nuts。
松永「アイツマジで危ないから」
R-指定「お前は大丈夫やって」
手をひらひらさせて先に廊下に出るR-指定
松永「違げえよ、俺が言いたいのは……」
歩いていくR-指定の背中
○某テレビ局・ロビー
ロビーのテレビでは、音楽ライブ番組の映像が流れている。
新曲を披露するCreepy Nuts。
暗くなり、照明が古畑を照らす。
古畑、カメラに向かって。
古畑「えー、おそらく犯人はR-指定さんです。韻を上手にお踏みになりますが、人として踏んではいけない道を踏んだようです。そんな彼にちょっと罠を仕掛けてみようと思います。彼のホームで。古畑任三郎でした」
○ライブハウス・深夜
客がいなくなった舞台上。
客席側から入ってくるCreepy Nuts。
ステージ中央に古畑が立っている。
舞台上に。
古畑「お待ちしていました……」
松永「古畑さん……!」
R-指定「またあんたかいな」
古畑「あのーR-指定さん、私、今泉の影響で、あなたのフリースタイルバトルをたくさん見させていただきました」
R-指定「そりゃどーも」
古畑「それで、ぜひ私とラップバトルをしていただけないかと」
R-指定「は?」
古畑「松永さんには良ければ音を」
R-指定「なんやもう、帰る」
松永「おい、R」
古畑「R-指定さん、これが最後ですから」
R-指定「(ため息)東京の警察は自由やな」
松永ターンテーブルの前へ
古畑「では曲を」
松永ビートをかける
古畑「えー、R-指定さん、あなた犯人を殺害、次はなんて言おうかな…」
R-指定「ネタの仕込みすらしてへんのかい」
古畑「えー、あなたはナイスガイ だが、私はあなたを…逮捕したい」
R-指定「hey斬新な警察のラップ だが三振だ 芯食ってない 浮いてるぜ重心 まるでマリーナベイサンズのプールだ」
古畑「私を…蔑み 悲しい(松永、ビートのテンポを遅く調整する)負け組 にならず えーあなたを追う(R-指定「全然踏んでないやんけ」) えーたとえばー、あなたの吸ったタバコ 現場にあるかも うーん崖っぷち」
R-指定「ナンセンスに付き合う時間ない 「蔑み」?こっちがストレスの捌け口 もう俺は警察のアレルギー タバコ、ハッ、吸うとらんわ でてくるのはアイツのアメスピ」
古畑「ストップ」
松永ビートを止める
古畑「今、なんと言いました?」
R-指定「タバコなんて吸うとらんて言うたんすよ」
古畑「その後」
R-指定「だから…でてくるのはアイツのアメ……! 」
古畑「えー、そうなんです。五十嵐さんがどうしてアメスピを吸ってらっしゃることがわかったんですか?」
R-指定「それはあんたが前に見せてくれた写真で」
古畑「いいえ」
R-指定「それか前に松永から聴いて」
古畑「R-指定さん、それもありえないんです。五十嵐さん、普段はプエブロと言われるタバコを吸ってるそうです。あの日は買えなくて仕方なしに買ったそうです。ですからあなたがアメスピを吸っている事実を知れたのはあの日しかないんです……まだ続けますか?」
R-指定「もうええって」
古畑「クリティカル……と、捉えてよろしいですか」
R-指定「やっぱコイツ強ぇわ、もうだめだ、すまん松永」
松永「R……」
古畑「えーあれだけ韻を踏むあなたにはー、この殺人、二の足を踏んで欲しかったですー」
R-指定「…ようこの作戦でいけると思いましたね」
古畑「あなたの言葉の引き出し、韻や言葉遊びの才能を信じてことです。『あえうい』を散りばめれば踏んでくれるかと。さすがでした」
松永「俺たちの軸は音楽なんすよ、古畑さん」
古畑「はい」
R-指定「そのために他のありがたい仕事も減らしてもらうようお願いした。同じように松永の音楽への集中にアイツは邪魔やった」
古畑「お察しします」
松永「ごめん…R」
古畑「ですがやり方がよくなかった」
R-指定「かといって松永がやっても怖いですから。メール読みあんなに上手いのに演技下手っすから」
松永「うっせえ」
古畑「あなたは松永さんを指示して、殺害時刻のアリバイを作り、そして我々を欺いた。最初は…ふっふっふ…見事に操られました」
R-指定「……操るなら韻やフローだったなあ」
古畑「えー、いまのは『古畑任三郎』で韻を踏まれたんですか?それとも本心ですか?」
ニヤリと笑うR-指定
R-指定「ラップするなら言いますよ、これくらい本心と合わせて」
微笑む古畑
古畑「んー…今のも~『するならいいますよ』」
R-指定「自然やと思ったんやけどな」
古畑に促され部屋を後にするCreepy Nuts。
エンドクレジットが流れ始める。
〈終〉
最後まで読んでいただき、ほんとうにありがとうございます。
※スペシャルサンクス
・R Nずっと春休みでいいのに さんの「皆さんは韻をふんだことはありますか?私はありません。しかし、今回人として踏んではいけない道を踏んだそうです」
・R N ハットリ三世 さんの「普段あれだけ韻踏むあなたには二の足を踏んで欲しかった」
・R N 藤原基央スマブラ参戦 さんの「操るなら韻やフローだったなあ」「いまのは…で韻を踏んだのですか?それとも本心ですか?」
のラジオ内で投稿されたセリフを使わせていただきました。ありがとうございました。