人生最後の大恋愛
中年男性の小さな田舎街での恋愛物語。
彼が36歳の時に出会った小さいハタチの女の子との4年間のお話。
その1
出会い
まもなく36歳の誕生日を迎える前の月に出会いはあった。
街はクリスマス一色の12月のとある日。
まだスマートフォンが出始めの頃でまだまだガラケーが主流だった時代。
片田舎の中年男性の楽しみと言えば、スナックでお姉さん達と飲むか、地元の掲示板で出会いを求めるか、デリヘルを呼ぶかぐらいしかなかった時代。
彼は飲みに歩くよりは家でお酒を飲みながらパソコンや携帯弄るのが楽しみで。
地味ですねと思われますが。
彼は若い頃、食う打つ飲むを散々やってきた男。
子供ができてからは一切そうゆう遊びはやめた男でした。
もちろん、危ない世界にも片足どころか体の半分はそっちの世界に踏み入れたりもして。
その遍歴とは多種多様で。
金貸しの仕事。
裏ビデオ屋の仕事。
当時合法のクスリ屋。
デリヘルの経営の手伝い。
ダフ屋。
転売ヤー。
などなど。
直接やってなくとも、手伝いや運びなどを本業の傍らやっていた。
片田舎の彼。
それでもこんななりわいが通用するのは、日本って凄い国。
そんな彼は、結婚してもその生活は続け…子供ができるまでは。
子供ができてからは、一切の裏の仕事からは手を引き。
子煩悩ないいパパになっていた。
ところが彼は欠点があった。
彼は普通にセックスしても子供ができない。
いわゆる不妊男性なのだ。
ではどうして子供を授かったのか。
現代の日本の高度医療は凄い。
それは不妊に関しても。
そんな高度医療で授かった子供。
可愛くないわけがない。
食う打つ飲む楽しさよりも子供の成長が楽しみになった。
その高度医療で授かった2人目の子供が生まれてすぐの話。
夫婦仲は仮面夫婦だった。
すでに夫婦間の愛情などなく。
子供授かってるのになぜ?
と思われるが、セックスしなくても子供ができてしまうから。
夫婦とゆうか、子供の為のパパとママにいつのまにかなっていた。
そんな家庭だったが、彼はひたすらに子供を愛してていた。
子育てが楽しかった。
家が好きだった。
しかし…。
彼は2人目の子供が生まれた後に。
胸に突き刺さる言葉を嫁に言われた。
彼は親父であるが、やはり男。
まして子育てしてる嫁を見てて、夫婦のコミニケーションをしたくなった。
嫁は母親であるが、同時に女性なのである。
3年ぶりの夜の誘いをした彼。
その彼に…
子供のできない人と何故しなきゃいけないの?
と
それが全てだった。
彼はそこから変わった。
家族の目を盗んでデリヘル遊びをするようになる。
恋愛してはいけない。
それは子供がいるから。
子供を愛していたから。
お金で解決するなら…しかも飲みと違って短時間で後腐れない遊びならと。
前置きが長くなった。
彼はその誕生日月の前の月、クリスマスムード一色の日本。
その片田舎で、ガラケーを手に電話した。
デリヘルに。
雪が降る夜、運転しながら予約する。
外は深々と降る雪だった。
雪の粒が大きい。
積もる雪とわかる。
ボーイさんに伝えた事は一つ。
すぐ来れる女の子。
別どんな子でも良かった。
できれば3時間ほどで帰りたい。
ラブホテルにチェックインして、部屋で待つ。
雪が降って積もってきてるから外のクルマの行き来が手に取るようにわかる。
クルマが停まった。
チャイムが鳴る。
ドアを開ける…
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