鉄は熱いうちに打て
KGAAフェスタに参加してみて…。
関学の体育会OB OGが集まるKGAAフェスタというものに参加してきた。名刺を配ろうという目論見と、OBOGまたは現役の熱に触れようとしたのである。
結論から言うと、視界が霞んだ。校歌を歌えない。声を発そうとすると涙が流れてしまうから。
日頃の仕事に忙殺されて冷え固まっていた自分の中にある『関学愛』が、マグマのように煮えたぎってきた。自分の4年間が頭の中で駆け巡る。
尖り続けた1年生。フレキャンを経験し自分の中で大きな変化のあった2年生。次世代に向けて全力で走り続けた3年生。コロナの中でもがき続けた4年生。
応援団やチアがパフォーマンスをしている中で、カヌー部での声出しが重なる。
3年生の頃、音水湖で応援団と叫びあったあの試合。今でも忘られない。当時の仲間たちと今すぐでも語り合いたい。
試合後、応援団のある子がこう言ってくれた。
「数々の応援に行っているが、カヌー部が1番楽しい。後輩にもきてほしい。来年も絶対に行く。」
応援団総部とカヌー部、何かしらの共通点があったのだろう。熱量?勢い?あの頃の自分に準えた言葉でしか表現ができない。あぁ、あの頃の自分よ。メモしておいてくれたら。
応援団総部の講演会にも寄せてもらった。あの頃のみんなの目の輝き、どれだけ同期のみんながカヌー部布教をしてくれていたのか。マイナースポーツの一介の部員が来ただけであんな眼差しはありえない。本部員という側面もあったかもしれないが、なぜそんなに積極的に話を聞こうとしてくれるのかが本当にわからなかった。
カヌー部ファン、本部員ファンを増やせたかな…。次世代に繋がるかな…。
4年生。コロナが訪れる。
全ての歯車が狂った。カヌー部での活動も、本部の活動も、応援団に応援に来てもらうことも。
それは同年代皆に平等に訪れたことで、とやかく言うつもりはない。
でも今こうやって、4年越しに、応援団総部がOBの前で演目を披露できている。チアの笑顔が弾け飛ぶように、金色のポンポンが私の心をギラつかせる。待機している応援団のかっこよさ。
あぁ、日常が戻ってきたのか。彼らは私以上に苦しめられた。でも今こうやって過ごしている。伝統を引き継いで。
本部員もカヌー部も、縦の関係は希薄だ。受け継がれていくものは限りなく少ない。自分たちで道を作らねばならない。
我々はもう青春には戻れない。大学にも戻れない。あの頃は帰ってこない。
だが、輝いている現役を見ていると、自分の大学時代が思い出される。
人間は過去を美化する。これは必至だ。
だが、美化させてほしい。自惚れだと罵ってもらって構わない。過去に縋っていると思われても仕方ない。
それほどまでに、あの4年間はかけがえのないものであったとだと再確認した2時間であった。