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菊池俊平
2018年9月12日 00:16
旅とはなんだろうか。便宜的に、それを、「普段行かない場所へと訪れること」と定義してみる。そうすると、例えば、仕事帰りに普段通り過ぎていた薄暗いバーへと立ち寄ることも、旅に含まれてしまう。そこに違和感があるのは、やはり距離性だろう。僕らは少し遠くへ、普段行かないような遠くへ行くことを、旅というフレーズで評価する。・・・夏休み。会社から休みをいただいて、妻と二人、東北へと旅に行
2018年7月28日 20:09
「ファッッッッッキン!」すごく肩身の狭い思いをしながら、妻と二人で、大きいバンの真ん中の座席に座っている。僕の左には妻。僕の右にはブロンドの美女がいる。前方の助手席、および僕らの後ろの座席も西洋系の人に囲まれている。運転手だけ、いかついサングラスをかけた、タイ人だ。運転がとにかく荒い。「ファッッッッッキン!」助手席に座る男が、荒過ぎる運転に檄を飛ばし続けている。運転手
2018年4月30日 11:53
遠くへ行きたいとずっと思っていた。ここではない、どこか「遠く」へ。それは日本のどこかにあるのかもしれないし、地球の果てにまで行かないとないのかもしれない。とにかく、遠くへ行きたかった。しかし、「遠くへ行く」というのは、実際にはとても難しい。遠くを目指して、やっと辿り着いたと思っても、新しい「近く」が誕生するだけである。目指していた場所は、そこに到達した時点で、もはや「遠く」ではなくなってしまう