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第53回読書会レポート:渋沢栄一『論語と算盤』感想・レビュー

(レポートの性質上ネタバレを含みます)

当会初のビジネス本シリーズ!
お陰様で定員の倍の参加者さんが集まりました!!
文学以外の読書会のニーズを痛感しました。

文学ももちろん含蓄に富むものですが、
私自身も現役勤労者ですし、
こうした仕事に直接役立つ
課題本も取り入れていこうと思いました~


参加者のみなさんの感想

  • 難しかった

  • 前半は説教っぽいが後半はエッセイっぽい

  • そもそも論語が説教くさい

  • 若い人にそのまま受け止められるか?

  • おじいちゃんの話みたいだった

  • 共感できない

  • 講演の記録。書いたものではない。

  • 道徳も時代によって変化すべきか?

  • 時代がだいぶ違う。国が貧しい時の100年前の経営者の考え方。

  • 渋沢自身、妾が多すぎて好きになれない

  • これをきっかけに論語を読み始めた

  • 道徳と経済はバランスする、大事なことが書いてある

  • 富の再分配

  • 哀れみの道、思いやりの道。人は一人でも生きているわけではない

想定外にネガティブな感想が多くびっくり(@_@)

特に私がファシリテーターを務めた班では
もっぱら渋沢の女性関係にフォーカスする展開に^^;

しかもなぜか女性陣が渋沢の女癖の悪さを擁護する
という複雑な状況に発展しました、、、笑

「圧倒的なパワーや財力を持つ男性に女性が何人もはべるのは当たり前だ!」という女性側の主張に男性陣がしょげかえるという、、、
主催者としてあるまじき仕切りに後から反省↷

ただ、こうした女性関係からみても、”富の再配分”を地で行く渋沢らしいと思うのは私だけでしょうか?

当時の日本はまだまだ後進国です。
国歌もなく国旗もなく、
欧米列強に食うか食われるかの瀬戸際の時代。
こうした全体的な流れの理解が鍵になると思います。

そもそも論語を読めばすべての人が成功できるのでしょうか?
そうではありません。
どう解釈するかが問題であり、その際に渋沢の独特の視点は
大変参考になります。


孔子には奇跡がない٩(๑´3`๑)۶ だから好き♪

ことに孔子に対して信頼の程度を高めさせる所は、奇跡が一つもないという点である。

角川ソフィア文庫 P227

基督や釈迦も奇跡が多すぎるという意見に深く同意。
私は学生時代にキリスト教概説の単位をとったのですが、その際に教授が「キリスト教を一言でいうならば、キリストの復活を信じる者たち、ということになる」といった講義を聞いて、私にはしっくりこないなと思ったことを思い出し、あの渋沢氏も同じ考えだったことを知り、ますます共感できました。

もちろん聖書も大変示唆に富むものですし、核心を突いていることについては異論はありません。

要するにその真理についての表現の違いであり、その表現に対する好みの違いなのだと思います。

実際に渋沢も例として、キリストのいう「愛」と孔子のいう「仁」を挙げ、「この二者も終局の目的は遂に一致するものであろうと考える」としています。

どんな思想でも教義でもいい、とにかく自分がしっくりくるものを一つ決めて人生を歩んでいくと、人生の岐路に立ったときにブレにくく、逡巡して気が滅入る時間を圧倒的に短縮できるものです。

渋沢はそれが論語であり、算盤を用いた独自の解釈ということなのでしょう。

私も早く一つ見つけ、それを独自に昇華させたいものです。


婦人教育について・・・これ大いに興さねばならぬ!

人類社会において男子が重んずべきものとすれば、女子もやはり、社会を組織する上にその一半を負って立つ者のだから、男子同様重んずべき者ではなかろうか。

角川ソフィア文庫 P282

女性教育に関しても大変理解のある方で、やはり偉人は物事の捉え方が違うものです^^

「とにかく優秀の人材は、その家庭において賢明なる母親に撫育された例は非常に多い」と偉人の母親が賢母である統計的な事実を示唆した上で、
「女子に対する旧来の侮蔑的観念を除却」すべきという立場をとっています。

まだまだ男尊女卑がはびこる時代。
なんなら日本における女性参政権の行使は戦後です。
いかに渋沢が先駆的な着眼点で日本を動かそうとしていたかが分かります。


能力により貧富の差が生じるのは当然の摂理。だがただし!!

常にその間の関係を円満ならしめ、両者の調和を図ることに意を用うることは、識者の一日も欠くべからざる覚悟である。

角川ソフィア文庫 P233

頑張れば誰でも富豪になれるという思い込みを私は持っていたのですが、能力差による貧富の差の存在を厳然たる事実として明言する渋沢氏にガツンとやられました。
真の成功者だからこそ説得力があります。

能力差によって貧富の差が生じるのは自然の成り行きであるがもちろん、能力が無い者は富を諦めろという短絡的な話ではありません。

この冷徹な視点が算盤の部分なのだと思います。

己の長所にコミットして不断の努力をすることの大切さ。
当たり前といえば当たり前ですが、これができている人がどれだけいるのでしょうか?

私もこの読書会を始めた当初は、成功してやるぞとギラギラしていましたが、なかなかそうはならず、私が目指していた成功基準を手放しました。

すると運営に対するスタンスが楽になり、いい意味でリラックスして続けることができ、結果的に毎回満員御礼という結果をもたらしました。

己の能力を見極めた栄達しようと欲することの実践ができる場があり、私はいま、そうした意味では幸福です。

Xのフォロワーも昨夜200名を越しました。

0からのスタートでしたから、本当にうれしいです。

これからも私のペースで健全な競争に挑んでいきます。



今回は参加者さんが想定の2倍でしたので、2班体制で臨みました。
私の担当しなかった班では、率先して参加者さんが
書記を務めてくださったりと、参加者さんに恵まれ本当にありがたいことです。

お陰様でレポートも作成できました!

ありがとーーーー\(^o^)/

(2024年9月29日日曜開催)

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【第54回課題本】



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yanagi
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