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作り手:豆田浩さんのお話(恵進丸)~略して"エモボ" vol.4~

賀露で漁師をされている、"THE・海の漢"、豆田 浩(まめだ ひろし)さん。
海の漢が醸し出すエネルギッシュな一面はもちろん、愛と人情たっぷりな、懐の深さが滲み出たインタビューとなりました。

「原点は、できるだけ美味しいものをみんなに食べてもらいたい。」と語る、鮮度抜群な赤イカが入ったエモボvol.4の作り手は、こんな方です。

365日、海に向き合う

元々、東京で美容師をされていた豆田さん。
とある事情で、鳥取へUターン後、漁師だったお父様の船を引き継がれました。
その船の名は、"恵進丸"。
漁師を継いで30年。
2代目船長として、今の船を作って16年。
その後、奥さんと共に海に出るようになり、夫婦船を始めて13年になるそうです。

当初は底引き網漁を行なっていましたが、漁獲量の減少や魚の鮮度の兼ね合いもあり、現在は刺し網漁と赤イカ・白イカ漁、そしてイカの加工業を行なっています。

類似種で値段の安い、アメリカオオアカイカ(ロールイカとしてよく販売されています)やムラサキイカが多く流通する中、豆田さんが提供するのは、正真正銘国産のイカ!

イカは白さが命。そのままの国産イカを使っています。
保存料や着色料等の加工はしていないので、安心してください。
うちは小型船なので、鳥取沖のものがほとんどです!

赤イカ漁は、鳥取では9月〜12月に行われます。
スケジュールはこんなにタイト。

・出航(9月は3時!/10月〜11月は4時!/12月は5時!)

・日の出〜 沖に出て、一斉操業(漁の具合で作業時間は判断)※詳しい内容は別ページにて

・日没、夕方〜 港に帰って、イカを陸揚げし、生簀に入れる

・翌日〜 8時頃に、競りに出す

天候によって海の状況が左右されるため、先々まで予定を考えなければならない一方、計画通りに事が進むわけではありません。
24時間365日、忙しない日々の中で海と向き合っていらっしゃいます。

ここ賀露港から恵進丸は、大海原へ航海へ向かう
相手は自然なので、計画的に進むわけではない。
その大変さを乗り越えた先で、我々はおいしい海の幸をいただけるのだ。感謝。

加工業を始めた"きっかけ"と譲れない"こだわり"

漁師のお仕事に加えて、豆田さんは隙間時間でイカの加工〜発送作業も行っています。
ただでさえタイトな日々の中、加工業を始めたのは、なぜなのでしょう?

たまたま知り合いの居酒屋さんに、お土産で小さい赤イカを持って行ったら、店長さんから「この赤イカを分けてもらえませんか?」ってきかれて。
「いいよ!」といった感じで、加工業を行うようになったんだ。

ただ卸すんじゃなくて、すぐに食べられる状態にできたらと思って。
総料理長さんに「どうしようか?」と訊きながら、今のお客さんが食べやすい加工にたどり着いたんだ。

薄皮を1枚でも食感や調理作業が変わる。
食べる人、使う人のことを考えて、提供時の"細かな気配り"を大切にされている。
写真は、赤イカの薄皮を剥いているところ。

豆田さんは現在、イカをお寿司屋さんや居酒屋さんに卸しており、大衆的に販売していません。

ネット販売のお声がけもいただいたけど、きちんと相手の顔を見て、商品の説明をして、安心して使ってもらいたいので、相手の顔を見て販売しているよ。
きちんと会って、食べてもらって、「これがほしい!」という人にしか売らない。そこだけは譲れないな。

「そんなにガツガツしなくてもいい。食べたい、美味しい!という人にしか売らない。」…"相手"を大切にする、豆田さんらしいこだわりです。
一度お会いしてお話をした方のみに販売する、顔の見えるつながりを大切にしています。

熱い漢のモチベーション

忙しない日々の中でも、求める人にイカをお届けする。
そのモチベーションはどこからくるのでしょうか?

取引先や自分の生活の責任もあるけど…
1番は、うちのイカを「美味しい!」といって食べてくれる人がいるから。
”求めている人がいるから頑張れる”。それが励みになるかな。

原点は、できるだけ美味しいものをみんなに食べてもらいたいから。
みんなが笑顔でいてくれるから、楽しみながらできるのかな。

「自分達で食べて美味しいと思って、友達に食べてほしいと思ったから居酒屋へ持って行ったのが加工業の始まりだった」と話す豆田さん。
(なんと、鳥取エモボックスと同じではないか!)
とはいえ、不特定多数の人に薄利多売をしたいわけではありません。

この鳥取エモボックスを入り口に、新たな恵進丸との出会いがあればいいなと思います。オンラインで顔が見えない分、個人的に恵進丸つながりになってくれたら嬉しいな。
仕事柄、その時々でタイミングがあれば「今日こんなお魚があるよ!」紹介ができる。だから恵進丸つながりになりたいんだ。
漁師しか食べられない、市場に出ないような、なかなか食べられないものを食べてもらえたらいいなと思います。

コロナ禍でなかなか人に会えない世の中だし、人との出会いを大事にしたいね。

豆田さんは奥さんと海に出る、夫婦船(めおとぶね)スタイル。
素敵な夫婦が、今日も海に出る。
※ポスター提供:鳥取市、撮影:浅田政志

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