No Racism
アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスでアフリカ系アメリカ人の男性が白人の警官に首を押さえつけられて死亡した事件を受け、世界各地で抗議デモが行われています。被害者のジョージ・フロイドさんが力尽きるまでの一部始終が収められた動画は一瞬にして世界中に拡散され、SNSは「#BlackLivesMatter」(黒人の命は大切だ)のハッシュタグで埋め尽くされて、様々な情報が日々飛び交っています。
これまで起きたことに関しては、こちらに詳しくまとめられています。
サッカー界でも「Black Lives Matter」運動に呼応する動きとして、プレミアリーグではユニフォームの選手名の部分に「Black Lives Matter」の文字がプリントされています。
スポーツと人種差別問題
スポーツの歴史を振り返ってみても、人種差別問題は根深く残っています。また、最近はSNSでの差別や誹謗中傷に関する発言が増えており、スポーツ界に限らず大きな社会問題になっています。
コロナ禍において、社会におけるスポーツの役割、価値についてみんなが考える機会になりました。それだけに、日本のスポーツ界から「Black Lives Matter」運動に関する発言が少ない(6/22時点)ことが、個人的には気になっています。
この問題はアメリカで起きていることだから、自分たちにはあまり関係のない話なのでしょうか?日本に目を向けてみても、浦和レッズの「JAPANESE ONLY」事件を始め、人種差別に関する問題はこれまでにも起きていて、決して他人事ではありません。
もちろん、「Black Lives Matter」以外にも様々な社会問題が起きていることは理解しています。でも、こういった問題に関して、日本のスポーツ界からもっと声を上げることが大事なのではないでしょうか。
すぐに解決できるような問題ではないかもしれません。でも、考え続けることが大事です。そして、考えるためにはまずは知らないと始まりません。そういった意味で、普段あまりニュースを見ない人も、選手やクラブを始めとしたスポーツに関わる方々が発信することで、それらを知るきっかけになると思います。SHUKYUがサッカー雑誌を作っているのも、スポーツやサッカーが持つ力を信じているからです。いかなる状況においても、人種差別はあってはなりません。
Black Lives Matterについて考えるために
ここでは、「Black Lives Matter」運動を考えるための映画・本の情報を紹介したいと思います。気軽に情報を手に入れることができるSNSはもちろん大事ですが、どれが本当の情報かわからないし、日々大量に流れてくる中で情報疲れしている人も多いと思います。スマホを置いて、本や映画から知ることも一つの手段だと思います。
サッカーと人種差別の関係に関する書籍だと、こちらもおすすめです。
SHUKYU Magazineの「IDENTITY ISSUE」でドミニク・チェンさんに寄稿していただいた人種差別に関する記事をnoteで特別に掲載中です。2016年に書かれた原稿ですが、まさに今の状況を表している内容なので、読んでいただけると嬉しいです。
また、「Black Lives Matter」を知っていただく活動の一環として、オンラインストア限定で「No Racism」Tシャツを受注生産(7/5まで受付)を始めました。こちらのアイテムの売上から経費を引いた利益の全額は、「Black Lives Matter」運動に関連する団体に支援させていただきます。
コロナの影響でSHUKYU Magazineの次号の制作も大幅に遅れておりますが、ようやくこちらも動き出しました。この数ヶ月で起きた様々な出来事を通じて、自分たちの存在意義を改めて考える機会となりました。次号では、これからの社会や、その中でサッカーができることについて考えていきます。