「『女性は必ず産休育休などの福利厚生に関心を持っている』という先入観があると感じました。私は身体も心も外見も女性ですが、無性愛者であることもあり、結婚や子供を持つ願望は全くありません。企業が福利厚生をアピールすることは何も問題無いと思いますが、私は興味が持てませんでした。そんな中、説明会で司会者が近くに居た私を当て、育児支援について感想や意見を求められた時には「なぜ私が? 分からないと言えば変人と思われる? 普通の人ならどう答える?」と軽くパニックになり、何も言えませんでした。私の後には隣の男性ではなく他の女性を当てていたので、私が男性あるいは男性的な外見であればこんな思いをしなかったのかと考えると悔しくなりました。就活中に出会った企業はダイバーシティの受け入れに積極的でしたが、あと少し見落としていることに気づいてほしいです。」
「私の母親は就活時代、シングルマザーが原因で多くの面接で落とされました。ジェンダーや家庭環境で人間が判断される社会は認められるべきではないと考えます。」
「化粧をしていないと駄目だと怒られた。
それに対してイギリスの航空会社以下ですね、と反論したらここは日本だ、と更に言われた。」
「映画・舞台美術が好きなので、映画会社に面接を受けに行き 「最近観た映画は何ですか?」と聞かれ「レ・ミゼラブルの映画版です」と答えると「あー、女の人って舞台とか好きだよねー」と鼻で笑われました。私はあくまで舞台上の演出を映画にした時にどのような変化があるのかについて説明したかったのですが、女性だから舞台が好きと最初からレッテルを貼られてしまいました。面接で落ちた理由は他にあると思いますが、女だから○○が好き、と自分個人よりも性で好き嫌いを判断されたのがショックでした。」
「転職活動中、第一志望の会社の最終面接の際、面接官に「結婚、出産の予定はありますか?」と聞かれました。意味がわからず、どうしてですか?と聞くと、「会社に長くいてもらいたいので」と言われました。悪意はないのだと思いますが、まるで「女は結婚したら会社を辞めて家にこもるもの=社会から断絶されるもの」と言われているようで、とてもショックでした。正直、私が男性ならこんな質問されなかったんだろうなと今でも思います。
結局その会社に内定をいただき、待遇の良さに惹かれて入社しましたが、今でも面接官だった役員に会うたびそのことを思い出してしまいます。」
「転職活動中、親の職業や実家の場所、きょうだい構成を聞かれた。私が4人きょうだいの中で唯一の女だと知ると、「これからさき親御さんの介護などで実家に帰らないといけない可能性はありますか?」という質問。
私は上から二番目で大学も既に出ているのにそんな質問をされるなんて。介護は女がするもの、女はすぐ仕事を辞めるもの、という考えがあったのでしょうか。
聞かれた質問はすべてコンプライアンス違反だと思いますが、その上でさらに性差別的な質問をされ、非常に嫌な気分になりました。」
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就活マナー・服装を指南する本やウェブサイト等には、「ハラスメントは断じて許されない行為である」ことの表記や、そのような被害に遭ってしまったときの対応、相談先などが示されているものがとても少ないです。
指南を公に発信する以上、最低限そのような事項を明記してもらわねば困ります。
酷い場合は、就職差別はいまだに存在しているが仕方がないといったような表記や、差別的な質問をされても、怒らず冷静に対応すべきという表記も見られます。
これら一連の問題はすべて地続きであり、一刻も早く解決しなければいけません。
被害に遭われている方は、是非下記のページなどもご参照ください。また2021年7月2日の時点における法規制や現状については、こちら
の記事を参照してください。
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