体験談紹介②~圧力は存在する!~
こういう運動を始めると、必ず来ます。
「自分で選べるんだから、自己責任だ」
「誰も強制なんかしていない」
今回も例にもれずこのようなコメントが観測されますね。「選べる」「強制は無い」というのは、その状況に立たされたことがないからこそ出てくる言葉なのでしょう。
今回は、「自分のビジネスファッションは自分で選ぶ」という当たり前の人権を侵害する、外部からの圧力の数々をご紹介します。
ー「学校でマナー講座というものがあって、そこで先生に「女の子はスカートの方が好印象で就活に有利です」と教えられました。自分は脚を出すことがとても嫌だったのもありますが、それと同時に不愉快さと「どうして?」という疑問も生まれたのを覚えています。」
ー「自分は女性なのですが、就職活動中に、パンツスーツとローファーを着用していると
「女のくせに男みたいな格好をするな」
「目立とうとするなキモいんですよ」
など、企業の方から心ない言葉をかけられることが多く、最終的には就活を諦めてしまいました。
大学の指導員にも
「パンツスーツは取ってもらえない」
と言われてしまいました。」- 飴さん
ー「初就活中の19歳です。体は女性、性自認は変動型で普段メンズを着ています。
就活に際し最も苦しく感じているのがスーツと証明写真です。女性性を表現するような曲線やらスカートやらと書かれた文章を拝見し、セクハラに似た感覚を受けました。中性的な髪にメンズのスーツで就活をしていますが、見た目で落とされる事を考えると写真を貼る度に恐怖で涙が滲みます。実際証明写真を取りに行った際も、お洒落でネクタイを締めたい我儘な女性として見られとても悲しくなりました。現状を理解した上でその格好をしているので覚悟はしたつもりでしたが、やはり苦しく感じる場面が多々あります。
仕事ぶりや人柄は服装によって決まるものではありませんし、決して失礼でなく清潔感のある容姿にしていると自負しています。二元論的なスタンダードがいつか変わっていくことを切に祈っております。」
ー「私は膝が悪く、パンプスなどヒールのある靴を履いた状態で長時間歩くことを、医師から避けるよう言われています。
大学の就活マナー講座に参加した際に、その旨を説明し、3〜5cmヒールのパンプス以外では何故いけないのか質問しましたが、「女性らしい足さばきのために我慢してください」と言われるだけでした。
「女性らしい足さばき」が何故、就活をする上で必要なのか理解が出来ませんでした。
「女性として生まれたのならば、女性らしくいなければならない」と言われたような気がし、辛くなりました。」
ー「私は普段着から女性らしい服は着ません。私服でスカートを履いたこともありません。ヒールも履きません。一身上の都合で大学を卒業してから就活を始めたのですが、リクルートスーツを買う際、パンツスーツが欲しいと言うと店員さんに「女性は絶対にスカートにした方がいいですよ。その方がいいんです。」とだけ言われ、スカートのスーツしか買わせていただけませんでした。無理に就活でスカート、パンプスを履きますが、本当に動きづらいし、慣れないし、今まで女性らしい服を着なかった自分が悪いのかな?なんて自分を責めることもありました。この想いは自分だけかと思っていたので、就活を自分らしくやりたいと思っている方が他にもいると知り大変嬉しく思いました。就活のみならず日常生活においてもジェンダーアイデンティティーに囚われる必要のなくなることを期待します。」
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女性らしい足さばきって何なんでしょう?
タイトスカートとパンプスを身に着け歩く様子が「女性らしい足さばき」?
大股で歩かずちょこちょこ動かすことが「女性らしい足さばき」?
馬鹿にしているのかなという気持ちです。纏足の話を思い出しました。なぜ女性らしくなければいけないんですか?と聞いても、誰も答えてくれないんでしょうね…
このような所作は、個人が選ぶものであって、押し付けられることであってはいけないはずです。当たり前のことです。体験談を読んでいると、当たり前に守るべき人権を守れないのに講師を名乗る人がこんなにも存在していることに絶望しています。
志望先企業から投げつけられた言葉、パワハラセクハラ以外の何物でもないですよね。この企業、モラル研修を早急に強化しないとまずいのではないでしょうか?当たり前の感覚だと思って無意識で言っているであろうことが、たちが悪いですね。「女のくせに男みたいな格好するな」と言った企業には、賛同者全員で「男みたいな格好」をして抗議に行きたいくらいです。
このような体験談を頂き、「自分たちだけではなかったんだ」と思えて、メンバー一同、嬉しいし心強い気持ちでいます。ありがとうございます。
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