【追記アリ】KADOKAWA発行の就活指南書籍複数冊に対する要望書および公開質問状を提出→回答を頂きました→さらに今後の展望をお知らせ頂きました
2021年4月9日、下記の画像の通りの要望書および公開質問状を提出しました。
可能であれば、2週間後の4月23日までに、受取確認を含め何らかの回答を頂けないかお願いしています。
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書籍「就職活動1冊目の教科書」(2019、就活塾キャリアアカデミー著)には、
「デートで大切なことは、『どちらがしゃべるか』ではありません。自分の思いやる気持ちが相手に伝わり、最終的に相手があなたに『また会いたい』と思ってくれることです。」
「たとえば、あなたが男性で、気になる女性とデートする場合には、
・待ち合わせ場所は、暑くも寒くもない屋内にする
・彼女が好きな食べ物をリサーチして、ランチの場所を決める
・席にスムーズに座れるよう、お店の予約をする
・彼女が疲れていそうだったら、休憩をとる
・彼女が好きそうな話をリサーチして、話題を準備しておく などです。」
等、男女二元論、異性愛、シスジェンダー、恋愛や交際、結婚の慣習や性質を前提とする記述や、「女性は/男性はこうあるべき」といった価値観に基づく記述が見られました。
また、
「広告業界やIT業界など、パンツスタイルでも問題ない業界はあります。ただし、強いこだわりがなければ、スカートのほうが印象が良い場合が多いようです。」
「黒のパンプスで、ヒールの高さは3~5センチです。ピンヒールや太すぎるヒールは避けます。ストラップ靴は足が短く見えるのでおすすめしませんが、履きたい場合は、つま先がややとがり気味のものを選ぶとよいでしょう。」
といった、差別を肯定してしまっている表記も見られました。
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また、書籍「奇跡の就活術」(2016年、阿部淳一郎著)にも同様に、男女二元論、異性愛、シスジェンダー、恋愛や交際の慣習や性質を前提とする記述
「あなたは、きっと、この本を読み終わった頃には、就職の面接はもちろんのこと、対人関係、そして異性とのおつきあいにも圧倒的な自信を得ている自分自身を発見されていることでしょう。」
や、
「『自分から挨拶をする』『人生の先輩である年上の人間と接するのに適した清潔感のある服装や持ち物、(女性は)メイクで臨む』社会人フィールド」
といった、特定のジェンダーに、身だしなみを超えた装飾を求める表現が見られました。
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公開質問といたしましては、
1.御社は、経営理念である「不易流行」の精神を核に、唯一無二のグローバルなエンターテインメント企業グループとして成長を続け、多様で自由な思想と柔軟な良識を提供することで、持続可能で豊かな社会をつくり、SDGsの達成に貢献していくと掲げていらっしゃいますが、SDGsには「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」という目標も含まれています。身体的性別や社会的性別等を理由とした抑圧や差別についての、御社のスタンスをお聞かせください。
2.御社では、書籍の発行前に、問題表現がないかどうかのチェックを行っていますか。
3.御社内では、男女以外の性のあり方や、異性間交際・異性婚以外の生き方が存在するという事実が知られていますか。
の3点とさせて頂きました。
詳しくは、是非、下記要望文および公開質問状をご覧ください。
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【追記】
2021.5.4
KADOKAWAより2021年4月23日、回答を頂きました。
我々署名チームからは、
「大手出版社の動きには世間も注目していることと思いますし、その影響力は今後の社会にとって大変重要であると感じます。チームとしては、#就活セクシズム の問題について共感する方々の声をこれからも紹介していくので書籍作りの際の参考にしてもらえたら幸いです」
との旨、お返事しました。
担当者の皆様、お忙しい中、ありがとうございました。
以下に回答を紹介いたします。
「株式会社KADOKAWA広報部です。
貴団体におかれましては、より開かれた多様性重視の社会づくりにご貢献、ご活躍されていることと存じます。
弊社でも、どの場面においても人間の多様性と個性を大切にする企業文化の醸成、環境づくりを行いたいと考えており、
頂戴したご意見・ご指摘を大切にさせていただきたく存じます。
以下は、頂戴しましたご質問への、弊社の現段階の回答となります。
社会の進化と共に多様性を歓迎している事実をどう表現・実行していけるのか、引き続き追求してまいります。
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弊社では、ジェンダーをはじめ、年齢、人種、国籍、価値観の違いなどによる差別や偏見がない、多様で自由な思想と柔軟な良識を提供する書籍などの制作を目指し、人権に対する問題意識を持って、研修の実施など、従業員とその他関係者に対する教育を含めた取り組みを行っております。
また、どの関係者でもボーダーレスに事業活動に参加できるよう、設備からの意識改革にも努めております。
その取り組みの一つとして、埼玉県所沢市に昨年グランドオープンしたところざわサクラタウン内の新オフィス「所沢キャンパス」に、性を気にすることなく使用できるオールジェンダートイレを設置いたしました。
書籍などコンテンツの制作に際しましては、表現などを確認・検討する専門部署を設け対応をしております。
この度頂戴しましたご意見・ご要望は、今後の書籍の編集制作や様々な企業活動の参考とさせていただきます。
貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。」
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【さらに追記】
2021.6.16
KADOKAWAより2021年6月7日、今後の展望についてお知らせ頂きました。
弊社が現在出版している就職活動関連書につきましては、
4月に頂戴いたしましたご意見・ご指摘を真摯に受け止め、
編集部などにて、掲載内容や表現方法を検討しております。
今後弊社から出版する就職活動関連書につきましても、
頂戴したご意見・ご要望を参考とさせていただく所存です。
弊社では、学生の皆様の就職活動に真に役立つ書籍の編集制作に努めてまいります。
この度はお問合せ・ご意見をいただき、誠にありがとうございました。
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