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ラウンジホステスの就職図鑑

Q:インタビュアー【バッシー 就職図鑑】
A:インタビュイー【Yさん ラウンジホステス】


Q「本日はラウンジホステスのYさんにお越しいただきました。ラウンジホステスという仕事についてや就職活動の流れについてインタビューさせていただきます。本日はよろしくお願いします。」

A「よろしくお願いします。」

Q「それでは、始めさせていただきます。まず,どんな仕事をしているのですか?」

A「ラウンジホステスをしています。お客様にお酒を提供し会話をする接客のお仕事です。お客様は接待ご利用くださったり、プライベートでお越しくださったりします。年代は私のお店だと40代~ 50代の方で社長さんや部長クラスの方がメインの顧客層です。お席では冗談を言って場を盛り 上げたり、お連れ様との潤滑油となれるよう話題や質問を振ったりします。ときには、なかなか言 えない胸の内を聴かせていただいたりします。また、お客様の代わりに手配や雑務をこなすこともあります。なので、夜のカウンセラーや夜の秘書と言われたりしますよ。」


Q「夜の秘書、確かにそうですね。では、1日の流れを教えてください。」


A「19時半に出勤して身支度などお客様をお迎えする準備をします。20時開店~1時閉店で接客。同伴がある場合はだいたい18時頃にお客様と待ち合わせをしてお食事し、20時半までに入 店します。アフターがあると閉店後に1~2時間ほどお付き合いをします。昼間はお礼のご連絡や 営業活動、事務作業や勉強、体型や体力維持のために運動をしたり。ほとんど寝ずに朝からゴルフへ行って、そのまま出勤とういうのもよくあります。けっこうハードです。」


Q「初任給やボーナス、将来的に所得はどのよう推移をたどりますか?」


A「お店や地域により様々なシステムがあるのですが、だいたい未経験の方で時給2500円からス タート。週5日、20時~1時まで5時間勤めたら25万円くらいでしょうか。売上や同伴等の実績によ り時給が変動しますし、売上制か日当制かによっても大きく変わります。売れっ子になれば月に 数百万~数千万稼ぐ方も一部おられる、実力と結果ありきの世界です。売れるまでどのくらい か?というと、その人の魅力や努力次第なのでなんとも。早いと数か月で稼げるホステスに成長 して高所得を得ることもあります。同時に、結果がでなければ時給や日当はガクっと低くなりま す。出勤調整といってお客様の来店がなければ出勤できなかったり(=0円)、クビになってしまう こともあり、厳しい世界です。ホステスは個人事業主ですから、報酬には衣装代や接待交際費等 の経費も含まれます。楽して稼げそうとか、贅沢で華やかなイメージを持たれがちですが、ある程 度結果を出せるまでは自分が自由に使えるお金というのはとても少ないんですよ。
もっと現実的に言いますと、売上に対して30%の報酬が支払われるならば相場といいますか、妥当な数字だと思います。お客様がゼロの新人さんは、はじめの数か月は保証があったり、最低時 給があるので売上がなくても月25万円くらいはいただけるでしょう(フル出勤の場合)。そこから売 上月50万円が最初の壁です。仮に顧客単価平均3万円のお店ならば、1ヵ月に約17人の来店が 必要です。では50万円の売上を上げるまでにどのくらいかかるか?というと、指名制なら半年~ 1年ほどだと思います。担当制(永久指名制)だともっと時間がかかりますね。17人の方に来店い ただくには、最低でも50~60件ほどの連絡先を持っていないといけません。あくまで接客やフォ ローに問題なければ来てくれる可能性が高い、という数字なので実際にはもっと多くの方に連絡 先を教えていただく必要があります。新人さんがそれだけの連絡先を得るというのは真剣に努力 し続けられなければなかなか難しいです。 同伴は月5回くらいできたら良いですね。私のお店は同伴料として4000円ほどのバックがありま す。ただし入店時間を過ぎると罰金&時給もその時間は発生しないので大変です。 売上について、私の場合は入店して3ヵ月で50万円は超えていました。ですが、色恋営業だった んですよ。無自覚でしたし、それ以外の方法を知らなくて。水商売=お客様に色を売ることだと思っていました。今となっては恥ずかしい話です。それ故にトラブルに発展したり、日々口説かれ るストレスで挫折しました。そこから勉強をして仕事やお客様に対する姿勢を改め、お客様と信頼 関係を築き、1年かけて売上100万円になりました。金額の太いお客様数名に頼るのではなく、多 くの顧客数を持ち安定した売上を築くことなどもコンサルから学びました。良いお客様を持つと、 接客も楽しく来店が待ち遠しくなります。応援してくれる人がいると、頑張ろうと活力になります。 なので、目の前のひとりのお客様を大切にして諦めずに頑張っていってください。」


Q「非常に努力をされていらっしゃるのですね。福利厚生についてはどうですか?」


A「残念ながら私の勤めているお店は福利厚生はありません。他のお店でも福利厚生があるの は稀ですね。ホステスは社員ではないから、というのが理由です。ですので、国民健康保険や国 民年金には自分で加入し全額自己負担しますし、雇用保険はもちろんありません。一般的な個 人事業主の方々と同じです。ホステスは高収入のお仕事とイメージを持たれることが多いのです けれど、こういった支払いも含まれている報酬額なのです。注意が必要だと思います。福利厚生 とは違うかもしれませんが、仕事が終わってから家まで送ってくれるお店専属のドライバーさんが います。タクシーで変えれば深夜料金で数千円かかるところ、500円くらいで帰れるのでとても助かります。」


Q「この仕事における良い面とそうでない面をおしえてください。」


A「良い面は、普通はなかなかお会いできない方と知り合えることです。成功している方という意 味もありますし、関わることのなかったであろう業界の方とか、学校で同じクラスだったら話す機 会がなさそうなタイプの方とか(笑)。仕事なのでどんな方ともお話できるよう努力するんですけ ど、知っていくうちに今まで持っていたイメージが変わって苦手意識が薄れたり、興味が強くなっ たりします。そこで得たお話や経験などが他のお客様の役に立つことがあったりするので面白い ですし、視野が広がるので自分のためになります。また、基本的にお客様というのは自分よりは るかに上の存在だと思うのです。なぜなら、知識・経験・教養、コミュニケーション能力や人格、す べてにおいて尊敬の念に堪えません。そのような方々のお話が聴けるのは大変貴重です。信頼 のおける方には相談に乗っていただくこともあります。仕事をしてお金をもらいながら学べる環境 は大きなメリットで、人生の財産だと思っています。ときには失敗をしてお叱りを受けることもある のですが(笑)、目下の人に対する注意の仕方やタイミング、人のミスに対する寛容な対応などか らもまた学ぶことが多いです。多くの人と関わり、自分が成長できる、そんな飽きることのない仕 事だと思いまます。 悪い面は、危険と隣り合わせの業界であることでしょうか。欲とお金、お酒にまみれてしまう女性 もいます。悪質なお店もあり、お客様をだますような営業を推奨したり、ひどいと肉体関係を持つ よう斡旋することも。そんなお店ばかりではないですが、それでも質の悪いお客様というのも一定 数いるものです。下手をすればストーカーなど警察沙汰になることもありますし、売掛を支払って もらえず借金をかかえてしまうホステスもいます。人を見る目を養い、自分の言動にも責任を持た なければいけません。あとは、履歴書に書けない職業という点ですね。まだまだ偏見を多く持た れる世界なので。企業に勤めるよりも自由度が高いため、生活が乱れたりだらしなくなったりもし やすいです。自分を磨くにはとても素敵な仕事ですが、簡単な気持ちで入ってはいけない業界だ と感じます。何か目的があるといいと思います。その他には、長く続けることが難しいことです。女性は若ければいいというものではないですが、年齢を重ねるとお客様の反応もちょっと薄れま す。内面的に魅力的な女性はたくさんいらっしゃいますが、みなさんやはり若いころからコツコツ と努力しておられます。肉体的にも朝から事務作業や営業活動をこなし、同伴・アフター、お酒を 飲み、気力と体力を維持していくのが大変です。売れ続けて生き残るというのは至難の業で、ママになったり自分の店を持ったり、そんな風にホステスの道で生きていける人はごく一部ですね。」


Q「社内外の研修等や自己研鑽としてやっている、やらなくてはいけやいことなどは何かあります でしょうか?」


A「これもお店によりけりなのですが、私のお店ではとくにありません。自己責任といいますか。社 内で研修や勉強会行っているお店は少ないです。ママやスタッフからご指導いただいたり、相談 に乗ってもらうことはよくあります。社外で独自に勉強されているホステスさんはとても多いです。 マナーや教養、歩き方、話し方、人の心理など私も日々勉強しています。コンサルタントと契約を して、相談したりアドバイスをもらったりもします。ビジネスについて学んだり、メンタルの整え方や 考え方を吸収して活かしていますよ。」


Q「休日は自分の時間としてとれるか?どんなことしていますか?」


A「まるっと休める日はほぼないです。よほど落ち込むことがあったり、精神的に参ったりしてふて 寝するのが年に1、2回ありますが(笑)。考えてみたら、お客様と連絡をとらない日はないです し、休日に限らずお客様や人と会わない日ってないんですよ。お店だと他のお席に行かねばなら ずゆっくりお話できなかったりするので、どうしてもお店以外で時間を作ってもらわないといけなく て。お礼がしたい、お詫びしたい、そんな気持ちはお会いして伝えるのが一番です。家にいたとし ても、溜まった事務作業や家事を片付けてあっという間に休日が終わります。時期によっては、 年賀状書きやお中元の準備に追われます。ホステスを始めて起動に乗るまでの間も、起業をす るのと似ていて目まぐるしく必死に働かなければいけない期間というのがあると思います。ホステ ス7年目になる近頃は少し自分の時間が欲しいので、月に最低1日は誰とも会わない日を強制的に作ろうと考えています。」

Q「その仕事につくため学生時代にするべきことや必要なことを教えてください。」

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