学習院大学の就職状況 → そこから考える考察
学習院大学卒業生の就職実績の紹介です。
この記事のデータは学習院大学のホームページをそのまま引用しております
<就職内定率は、98.7%>
素晴らしい数字ですよね。就職希望者はほぼ確実に内定を獲得すると言いきってもよい数字なのではないかと思います。
学習院大学生は頭がよく、上品で、学校としてのブランド力もあります。
私自身も社会人になったあとに、「学習院大学卒業です」というと4人に3人の方は、「頭がいいのですね」と褒めてくださります。
「いやいや、そんなことはないです」と、思います。もっと頭のいい大学はたくさんありますが、世間のたくさんの方はそう思われているみたいです。
もちろん、偏差値で比べたら上の大学はたくさんあるのです。大手や、平均年収の高い企業、外資系などですと、キャリアの高い大学出身の方はたくさんいらっしゃいますので、あくまで世間全体と比べて有利な環境にある大学と私は思います。
就職業界の割合を見てみると、
金融:21.2%
運輸・通信:19.0%
サービス:17.1%
教育:5.5%
公務員:5.1%
なるほど。5人に1人以上が、金融業界と圧倒的に多いですね。
私の同級生や、先輩後輩にも、メガバンクをはじめ、信用金庫た損保、生保などなど、金融業界に就職した友人はとても多いです。
実際の、学習院大学の就職先のランキングトップ15社を見てみましょう。
第1位 東京23特別区人事委員会 22名
第2位 (株)りそなホールディングス 21名
第3位 (株)三菱UFJ銀行 17名
第4位 (株)みずほフィナンシャルグループ 16名
第5位 東京都教育委員会 14名
第6位 第一生命保険(株) 13名
第7位 あいおいニッセイ同和損害保険(株) 12名
第8位 日本生命保険(相) 11名
第9位 埼玉県市町村(除:さいたま市) 11名
第10位 (株)三井住友銀行 9名
第10位 埼玉県教育委員会 9名
第12位 (株)マイナビ 8名
第12位 ANAエアポートサービス(株) 8名
第12位 (株)千葉銀行 8名
第12位 (株)武蔵野銀行 8名
- いずれも学習院大学公式HPより引用。
数えてみると、15社のうち、9社が金融業界企業です。
三菱UFJ、みずほ、SMBC(三井住友)、りそなのメガバンクもランクインしていますね。
そして残りのうち4社が、都道府県管轄の教育委員会ですね。
少し極端な例えですが、あなたの周りの友人の半分以上が金融系の企業に就職しそうです。結構な数ではありませんか?
ランキングにある企業を見ると、固い印象ですよね。なんとなく金融や都道府県管轄と言われると安定感がありそうなイメージを感じます。
ただ、せっかくなのでデータだけでなく、俯瞰して考察してみましょう。
<そもそも、学習院大学は金融、もしくはお金に関する授業科目が得意な大学なのでしょうか?>
出身の私からすると、決してそんなことはないと思います。
金融に特化している学部というと経済学部になるかもしれませんが、さすがに「私は経済学部出身なので金融業界を志望します」というのは動機としては安易すぎる気がします。
そもそも私たちは義務教育をはじめ、大学の授業においても「金融やお金についての "リアル" を教えてくれる授業」はきっと一度も受けたことはないと思います。
今の私でも、金融の知識があるとは決して言えません。
金融に関する本当の意味での知識というのは、「給料を貰う」ではなく経営者として「給料を払う」立場になり、実際に投資する経験をしないと身につかないといっても過言ではないと思います。
ご両親が経営者であり、親身に教えてくれた経験でもなければ、金融業界も、教育の制度をつくる教育委員会の方も大半の方は、経験としての知識はきっとないはずです。
あらためて、上記の図のように、金融業界や教育委員会に、学習院大学生が就職がし易いということは、そこに就職している先輩たちの大半は、経験としての金融を学んだことの無い未来の私たちとも言えるかもしれません。
もちろん、学生なんだから社会経験をしたことないのは当然!
それは社会人になってから学ぶんだ!
と言われたら、その通りです。
事実、私自身も「起業家を支援する会社」に新卒で入社しましたが、当時は起業体験どころか、会社の設立の仕方すら知りませんでした。
ただ、ここまで読んでみて、自分に問うてみて下さい。
あなたは、本当に金融の業界で働きたいですか?
その理由を他人に語れますか?
<就職率が高いことの懸念点>
いじわるな言い方かもしれませんが、就職率が高いということは、マッチしているのかも分からず、受かってしまう可能性も高いということです。
学習院大学生の業界に偏った就職率が高い理由はきっと、
・有名で世間体もよくて安心できそうな企業だから
・相対的に給料が高そうだから
このふたつが大半なのではないでしょうか?
もちろん、この理由もとても大切な要素であることは私も重々承知しているつもりです。
ただ、それだけの理由で、なんとなく受けて、なんとなく内定をもらったからそこに就職しよう。
というのは、ひとつのリスクかもしれませんです。あなたは社会人になったら人生の80%が仕事になるのですから。
もちろん、「給料を払う側として、今すぐ経営者になれ!」と言っているわけでは決してありません。
そうではなく、上記のことを認識した上で、自分にとっての良い企業を考え抜いた上で就活して欲しいのです。
考え抜いた結果なら、きっと後悔はないでしょう。
仮に仕事を変えようと決めたときも、この就活で一生懸命やった経験は必ず活きます。
そんな気持ちから、このように書かせていただいています。
<就職はあなたの人生をデザインするひとつの手段>
仕事は学生を卒業したあなたが社会人としての人生を生きていくためのひとつの手段です。
平日を我慢して、土日で少し贅沢するために働くもよしです。
世の中に貢献する実感とやりがいを持って、その対価としての給料を得る。
そのお金でより貢献度とやりがいを求めて成長していくために働くもよしです。
大事なのは、あなたがどんな人生を望んでいて、そのために働くのかということ。
もちろん働いてみないとわからないことの方がたくさんあるとは思います。
しかし、だからといって、深く考えず、周りの世間と就活生に流され、
・有名で世間体もよくて安心できそうな企業だから
・相対的に給料が高そうだから
そんな理由でなんとなく就職してしまうと、社会人になってから後悔する可能性は高いです。
仕事は、素晴らしいものであると私は日々実感しています。
この就職活動を通じて、”本質的に考えるチカラ” を磨いていただけたら嬉しいと思っています。
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