『食事を変えれば、認知症は必ずよくなる!』発売されました。
私が編集を手がけた『食事を変えれば、認知症は必ずよくなる!』園田康博著(新星出版社)が1月下旬に発売されました。
雑誌「栄養と料理」2016年6月号「認知症の母といっしょに食べる日々のおかず」で、母に作っていた料理レシピと介護のことを綴り、主治医の東京メモリークリニック蒲田の園田康博先生といっしょに毎日ホールで「認知症になってもあきらめない」をテーマに講演。聴講にきてくれたフリーの編集者、角田菜穂子さんが出版社の人に講演の内容を話してくれたことがきっかけになり、「食と認知症」をテーマにした本の出版が決まりました。
当初の企画内容から方針転換をしたり、担当編集の稲垣飛カ里さんが第二子を出産したり、本当にいろいろなことがありましたが、なんとか出版に至りました。
ライターとして入り、医師にインタビューして原稿を書き起こし、スピーディーに本にすることもあるのですが、著者の希望で2年以上かけてご執筆いただきました。
実母の認知症の介護をしていたとき、便秘になると幻視や妄想が強くなったり、急に意識レベルが低下したり、怒りっぽくなるなど症状をより悪化させることがあると知ったときは愕然としました。
これは多くの医師や看護師には知られていますが、一般の人にはあまり知られていません。
便秘は2日でイエローカード、3日でレッドカードです。
トイレを気にして水を飲むのも嫌がるので、脱水気味になり、それがまた便秘の原因に・・・。
脱水すると不穏やせん妄状態になり、体の動きが悪くなり、転倒するリスクが高まります。
日々の食事、排便コントロール、睡眠がとれているかどうか、きめ細かな治療とケアで穏やかに暮らせるというメッセージを随所に散りばめました。
1 「よりよい状態」があるかもしれない
2 薬剤への過敏性がある
3 認知症の症状は変化していく
この3つの知識を得たことで、
「どうせ同じ」なんてあきらめるのはやめようと、
母との向き合い方が全く変わりました。
食事作りをあれこれ工夫できたのは、
便秘と水分摂取に気を配ればいいというポイントがわかったからです。
心身ともに元気でいてくれることが一番!
イラストは愛を持って人間を描ける小池アミイゴさんに依頼。
カバーの夫婦は、どちらが認知症のある人かわからない、
同じ方向を見て同じ風景を共有している、そこがいいと思います。
あとがきに当たるまとめには、家族みんなで食卓を囲んで
談笑している情景を描いてもらいました。
読後にいい風が吹きますように。
扇動的な書名になっていることは否めません。そういう意味ではもっとこれから社会全体に対してできることがあると思っています。認知症についてのとらえ方も大きく変りました。
でも、この本を読んでいたら、もっとその手前でできることがあったかもしれない、そう思います。
いままさに認知症という問題に直面して、
戸惑っている人に手にとってほしい本です。
6年前の「私」に読ませたかった!
出版社のホームページで詳細をご確認ください。