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完璧主義と先延ばしと道草 感情#17
自発的に好きになった趣味なのに、それを先延ばしにしてしまうことがあります。
たとえばアニメ。アニメが好きで今すぐ観たいと思う反面、先延ばしにすることがあります。他には、僕は漢字が好きなのですが、好きなのに漢字に触れず避けてしまうことがあります。
中学生の頃は、どうして好きなのことなのに避けてしまうんだろうと不思議に思っていました。しかし、今ではその理由が分かるような気がします。
先延ばしにして得をするのは、意外なことに自分自身です。得と言えば語弊があるのかもしれませんが、広い意味での現実逃避を達成できます。
ただ現状から逃げるだけでなく、現実逃避の行動を言い訳できるようになります。そのため、困ったことに、何かに没頭して真剣に成果を追い求めているときほどよく発生します。
具体例があると分かりやすいので、僕が実際に体験したケースをお話しします。
僕は受験生の頃、大学受験に必要な生物の勉強のために資料集を読んでいました。しかし、資料集は勉強を補佐するものであって受験には出てこない内容が多く含まれています。
それを理解し、実際に出題される範囲の問題を解くことが近道だと分かっていたのにもかかわらず、資料集をずっと読み漁っていました。
迫り来る受験勉強から逃げたいけど、「一応勉強はしている」と言い訳するために、比較的負担の少ないインプットばかりをしてしまっていました。
アウトプットをするときは間違いがつきものですが、それを避けていたのですね。また、インプットは自分の準備が完璧に近づいていくように感じられるのもあります。
受験勉強という本筋から離れ、生物の豆知識という道草を、ハムスターのように頬に詰めまくっていたようなものです。
この話から本質的な部分を抽出すると、以下の点が挙げられます。
①現実逃避をしたい
②頑張っている状況は作りたい
③準備は整えたい
完璧にしたい気持ちがある場合、準備に多くを費やしてしまいます。そのため、現実逃避の手段として準備に手を入れるという結果に落ち着きます。
ここで、冒頭の話に戻ります。どうして好きなことを先延ばしにするのか。
それは、好きなことを先延ばしにすることで、「欲に抗って頑張っている」という状況を作れるからだと考えています。言い換えれば、間接的に現実逃避の言い逃れを行っていることになります。
手を付けなきゃいけないタスクに対して、手を付ける勇気が出ない。でも、せめて頑張っているという状況は作りたい。だから、今は好きなことを我慢しよう。と言うわけです。
しかし、皮肉的なことに我慢して生まれた時間の多くはSNSに費やされてしまいます。これでは状況が悪化したと言っていいでしょう。
この状況に僕はよく陥ってしまいます。最近でもそうです。もしかしたら、noteを執筆しているのもそれが理由なのかもしれません。noteを執筆しているから、本当に向き合うべきことと向き合っていなくても良いと。
重要なのは、今自分が取り組みたいことと今取り組んでいることのギャップに気づくことです。最近はそれを少しずつ意識しながら軌道修正を繰り返しています。それでもまだまだ難しい…。
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