見出し画像

詩 │ 隣家の向日葵

二階から見る向日葵
太陽に向けた熱い眼差し
日差しの中で静かに咲き誇る

膨れるしっぽを隠しながら
すだく虫を目で追いかける
逆立つ毛が不快に感じられた

一階から見えない向日葵
道路から一瞥する玄関扉
夜には鼠がはびこっている

振ったしっぽを隠しながら
隠れる鼠を誘き出す
生臭い味に後悔した

家の裏に太陽が隠れて
隣家の向日葵と目が合った
きみは猫じゃないよ

白く伸びた髭を剃り始めた
もう猫になんてなりたくない
向日葵からのおすそわけ

いいなと思ったら応援しよう!

朱夏
よろしければ応援お願いいたします!