前近代的的な木桶製作技術が未来を作る

私は木桶職人ですが、指物も作ります。
一般的に木桶は丸いもの(最近は丸くないものも作ってますが)指物は四角なものです。

このふたつは形だけの違いだけではなく、製作する考え方が全く違います。

指物は完成品から、部品へ
完成した時の寸法、ホゾ組など完璧に決めてからものづくりを始めます。
全体の設計図があって、それに合わせて部品を正確に必要枚数作らなくてはなりません。

一方木桶は部品から完成品
もちろんこんなものを作るという完成形はありますが、同じ桶を作ってもパーツの数も幅もはバラバラです。一つの桶を作るのに10枚のパーツで作ることも出来れば15枚でも20枚ででも可能です。
円周ベースに作るので、円周が10ならパーツ一枚づつの幅が、2+2+2+2+2でも1+2+3+4でも合計が10になればいいという考え方です。
その時使える材料の幅に合わせて作ることが可能です。
また、直径と高ささえ決めればすぐにでも仕事が始められます。後から高さや厚みなどを調整することも出来ます。見切り発車できるということです。

この指物は完成品から部品へ、木桶の部品から完成品へとの違いは、指物はある程度の工業化が可能で、桶はなかなか工業化できなかった要因のひとつです。

どちらが良いというよりはどちらもありということですが、、、


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