工芸の工芸性とは何か、
私が参加している工芸工房の集まるグループので工房についてよくディスカッションをします。
そこで語られたなかで、(確か朝日焼の松林氏の発言) 工芸の工芸性という言葉がでてきました。これはいい表現だなぁと思いました。
工芸の持つ魅力を工芸として語ると殻に閉じこもると考えていたからです。
しかし、工芸の持つ工芸性と言う言葉であれば、工業の持つ工芸性とかデザインの工芸性、アートの工芸性、あるいは生活の工芸性とか人間の持つ工芸性など様々な所に散らばっている工芸性と言う事を語れるからです。
一つ例を挙げると数年前に金沢の21世期美術館で行われたデザインと工芸の境界線という展覧会で、工芸、デザインの両方の展示でiPhoneが展示されていました。iPhoneは工業製品であり、工芸品ではありません。しかし、その緻密なデザインとこだわりの作りに工芸性を感じます。
工芸にはたくさん魅力があります。その魅力は決して工芸が持つだけのものではなく、様々なモノ、コトに忍ばされています。それを工芸性と捉え新しい価値観の道しるべに出来ないかと考えています。
工芸性の開く世界にに量的バリューから質的バリューへの変換があるかと思う。
世界を均一の物差しで測るために様々なものが数量化した。でも質というモノは好み嗜好、立場など、個人が自分の物差しが重要になると思う。