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最高の仕事


 私は今まで色々な仕事をしてきました。
どの仕事も認知症の親の介護よりは心身にかかる負担は楽でした。
その中で一番楽な仕事をあげるとしたら、これです。
大学図書館の受付。2000年代にやっていました。
大学図書館は、市民図書館などと違って、難しい本がメインですから、利用者が少ないのです。30分に1回くらい受付対応する程度。イスに座ったままです。一時間に1回くらいに返却された本を棚に戻す作業。ちょうどいい散歩になります。冷暖房完備。時間になると上司から「休憩してください」と言われるのですが、これ以上、どう休憩していいのかわかりませんでした。
本の貸し出し、返却作業でパソコンを使うのですが、自由に使っていいというゆるいルール。ちょうどその頃、私はもの書きの仕事をしていたので、それをしていました。内職です。仕事中に他の仕事をするとはなんと効率のいい。
ある日、課長が私に近付いてきました。課長は私が話したことがある内では、一番偉い人です。図書館員なのに内職ばかりしていたので、小言を言われる覚悟をしました。すると課長はこう言いました。
「三浦さんタイピング早いですねぇ」
 褒められました。
 この課長は、後に私が最初の本を出版したとき、わざわざ我が家まで来て、一冊買ってくれた人です。
 世界中全ての職場が、こんな職場になーれー!

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イラスト by graphicalicious


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