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おすすめ語学勉強法


 アメリカのコメディアンがこんなジョークを言っていました。
「日本語を学ぶ一番いい方法は、日本人の両親のもとに生まれて、日本で、育つことです」
 役に立たない冗談のようですが、冗談というのは、時に真実を含んでいるものです。「生まれて育つ」、それを理想として、それに近い状況を作ることです。
 留学。いいですね。しかしコストが高いです。また、留学後、日本に帰ってきて、改めて日本社会の一員になるのは、なかなか難しいものがあります。
 英語をしゃべる彼氏・彼女を作る。私は作ったことがありませんが、効果的なようです。すでにご結婚されてる方や、彼氏・彼女がおいでになる方はやめたほうがいいです。トラブルのもとです。
 一対一クラスを受ける。現実的で手軽な方法です。でも高いです。上級者になるほど先生との相性が問題になります。
 教室に通う。現実的です。安いです。学校の授業が好きだった人にはお勧めです。学校が嫌いだった人は、ダメかもしれません。
 私が昔、すすめられた方法は「新聞を読む」「ニュース番組を見聞きする」でした。大学やビジネスで役立つ言葉を勉強するには、いいかもしれません。私も英語でやりましたが、その頃は社会で起こっていることに興味がなかったので、あまり面白くなかったし、効果があったようには思いません。
 私の読者には演劇人が多いので、演劇人におすすめな方法は「ドラマを見る」です。なんとなく見るのではなく、好きなドラマを見つけて、繰り返し見るのがいいのではないでしょうか。
 最初は字幕なし。聞き取れるフレーズや単語を聞き取って、内容を推理する。日本で日本人の親をもって育ってしまったら、どんなに頑張ったってネイティブみたいになるのは難しいです。どんな言語学習でも、必要な能力とは、状況から相手の言っていることを推測することです。知っているフレーズや単語が多ければ多いほど楽に相手の言っていることが理解できるようになります。単語やフレーズの暗記勉強にもやる気が出ます。
 繰り返しドラマを見る二回目は、「その国の字幕で見る」です。発音と文字をつなげる勉強です。文字に起こしてもらえば、意味が分かる場合も多いです。
 次は母国語の字幕で見る。答え合わせです。これで意味は分かるので、勘違いしたところや、聞き取れなかった部分を確認できます。字幕は文字数制限がありますので、結構ザックリ訳してあります。字幕になっていないセリフや言い回しを聞き取れるとうれしいです。
 最後はお楽しみ、「吹き替えで見る」。マイナーな作品だと吹き替えがない場合もありますが、吹き替えは翻訳家と声優のアートです。プロの見事な仕事にうなる事も多いです。
 この方法がどうして演劇人におすすめかというと、普通の人は同じドラマを何度も見ると飽きてしまうからです。演劇人は同じ芝居を繰り返し、繰り返し練習します。だから、繰り返し見るのに慣れているんです。
 ただ、この勉強法ばかりやっているのは良くありません。書いたり、読んだり、話したりというのをバランスよくやった方がいいです。
 さらに、この勉強法には欠点もあります。ドラマの中には非常事態でのみ許される言動があります。また、親しい関係だから許される会話もあります。初対面の人にそんな口をきいたら失礼です。
 例えば、「シャット アップ」とは英語で「黙れ」を意味します。映画やドラマでよく耳にします。しかし、私のアメリカ人の先生は人生で今まで一度も、家族や友人にこの言葉を使ったことがないそうです。
 私も人に「黙れ」とは言ったことがないかもしれません。私の中学の英語の先生は毎日「シャット アップ」と言っていましたし、ドラマやアニメでもよく聞きますね。
 ドラマと現実は違います。しかし、どうせ勉強するなら、楽しんで勉強できた方がいいですね。
 ドラマ繰り返し見る勉強法、一度試してみてください。

English
イラスト by ピンカリ

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