懐かしむ心
夏が終わります。
寂しいなあ、と思って、YouTubeで「ひぐらし 鳴き声」と検索して、聞いてみました。寂しい気持ちになるのかと思ったら、懐かしい気持ちになりました。かつての夏を懐かしんでいました。
なので、きょうは、「懐かしい」という心について書いてみることにします。
懐かしむことは、懐古主義とか、ノスタルジーとか、昔話とか、あまりポジティブな印象を与えない行動のように思われがちです。
過去を肯定し、賛美しますので、相対的に現在を否定する響きを持つせいでしょう。飲み屋でベテランが言ってしまう「あの頃は良かった」の類です。自分の過去を誰かの現在に強制しないほうがいいですね。懐かしむのは、自分のためだからです。
それでも、敢えて懐かしいという心について触れるのは、過去を大切にすることは自分を大切にすることだと、そう思うからです。
過去があるから今の自分があります。これまで経験したどのような辛いことも、楽しいことも、全部あるから、今に至っている。そのような尊い存在が、あなたの中にはあります。
それでも、いや、あの経験は余計だった、この記憶はあってもなくても変わらない、と感じることはあるでしょう。確かに、ほんの小さなことは、そうかもしれません。しかし、「あの経験」「この記憶」とラベリングしている以上は、何らかの意味を見出していると思います。いや、逆に、ほんの小さな出来事に、人は傷つくのかもしれませんね。
何かを懐かしむときは、どんなときでしょうか。なにかのきっかけで、過去を大切にしたくなったときですかね。それは現在がうまくいってないときでもあるのでしょうか。どちらもある、私はそんな気がしてきました。
とても好調ですか。それなら、かつて不調だった自分を懐かしみ、大変な努力をした過去があって、思えば随分成長したものだと、褒めてあげればいいですよね。
そうではなく、自信をなくしている、うまくいかない、評価が下がっている、周りが活躍しているのに自分は伸び悩んでいる、のような状況ですか。
私が好きな歌詞がありまして。
もし自信をなくして
くじけそうになったら
いいことだけ いいことだけ
思い出せ
「アンパンマン」で流れる歌詞です。
過去を懐かしむことは恥ずかしいことだと考えず、むしろ積極的に、思い出してみてください。前を向くには、後ろを振り向くことも必要ですので。
ではまた来月。
【癒やしコーナー】
動画か画像など、何らか癒やされるもの(私が笑)を紹介していきます。
アニメ「アンパンマン」より、「アンパンマンたいそう」
子どものころに見た方も、子育て時代に聞いた方も。
改めてこの歌詞をどうぞ。
嘉門達夫「明るい未来」
特に昭和50年代とそれ以前の生まれの方へ。