ベトナムの歴史を知れば国民を知る事ができる Part4 (中越戦争)
国民の理解は歴史の理解から第4弾・・・日本ではあまり語られない「中越戦争」
中国が苦手としている国「VIETNAM」。今回はこのテーマを「ざっくり」と皆さんと学習していきたいと思います。
≪1.中国の軍事力強化はベトナムのせい≫
前回はベトナム戦争について「ギュ」っとまとめました。ベトナム戦争は長く、様々な国に影響を与えたことから皆さんも「何となく」知っている戦争だったと思います。
毎年、物凄い勢いで軍事力を強化している「中国」このきっかけとなったのが今回ご紹介する「中越戦争」と言われています。
≪2.中国の領海侵犯≫
日本では中国による尖閣諸島沖の領海、領空の侵犯が続いています。
コロナで大変な時期でもコンスタントに領海審判を繰り返し4月でも88件の領海侵犯が確認されています。
海上保安庁のWebサイト ←クリック
ベトナムでもたびたび中国船籍とベトナム船籍の衝突がニュースになります。
VIETJO ニュース ←クリック
≪3.なんでこんなことするの中国≫
この辺はいずれ詳しくやっていきますがざっくりと
・石油や鉱物など資源が埋まっていることが確認されている
・対アメリカを想定し水深の深いこの地域に潜水艦を配置できる
・・・等の様々な思惑があると見られています。
≪4.中国の軍事費≫2020
中国の軍事費は2020年予算13000億元(196487330000000円ー196兆円)レート15.11円
日本の軍事費 は約5兆円 その差は歴然
下は毎日新聞から引用 (中国の軍事費推移表)
≪5.いきなりざっくり概要ー「恩知らずのベトナムに懲罰」≫(1979年)
ベトナムがカンボジアと戦争、カンボジア(ポルポト政権)を支援(友好国)していた中国が怒ってベトナムを攻撃
この時の中国の発言は超上から目線!
「恩知らずのベトナムに懲罰を与える!」
この戦争を中国は「ベトナムに対する懲罰的軍事行動」と位置付けました。
この戦争は第3次インドシナ戦争ともいわれています。
≪6.中国が侵攻してくるきっかけ≫
・毛沢東時代より 第一次、2次インドシナ戦争で中国から軍事支援を受けていたベトナム
・ベトナムがラオスと軍事同盟を結び、カンボジアの緊張が高まる
・ベトナムとカンボジアのメコンデルタ領有権の争い、度重なるカンボジアのベトナム侵略などの緊張
・ベトナムは中国から支援を受けた武器でポルポト政権を壊滅させた
・中国とソ連の対立
≪7.中国対ベトナム戦況≫
中国人民解放軍 対 ベトナム
1979年1月1日以降から配置開始(開戦:2月17日~3月1日)
中国56万人の兵 対 2万人+民兵 ベトナムの主力部隊はカンボジアにいたためベトナムは2万人+民兵しかいなかった。
中国の人海戦術対ベトナムのランチェスター戦略 ですが、この時のベトナムは民兵といえどもベトナム戦争を終えたばかりの精鋭部隊に匹敵する戦力、それに加えソ連や中国の武器、ベトナム戦争時にアメリカが置いていった最新鋭の武器で対抗。
ラオカイ、ランソンを占領するも中国の代償はおおきく、主力部隊と合流したベトナム軍の衝突は甚大な被害が拡大すると考えた中国軍は
「懲罰の目的は果たしたので撤退する」と言って撤退をする。
期間にして約3か月程度であったが 中国軍2万6000名死亡(中国主張6954人) ベトナム軍3万人ー民間人の被害は10万人(中国主張 ベトナム兵死亡 52,000人)という結果となった。
(この戦争を取材していたアメリカ人記者によるとベトナム側の発表に信憑性があると語っている)
中国がベトナムに勝てなかったの明々白々
この戦争依頼、中国が軍の近代化が最優先であると位置付けをした。
≪8.戦後と今も続く国境問題≫
1979年から1989年にかけては中越国境紛争や赤瓜礁海戦など引き起こされ敗れたベトナムは中国有利な条件で国境線画定を余儀なくされた。
2000年代に入っても両国の武装船の衝突は続いており特には両国が主張する領海での衝突が今もなお続いている。
≪9.まとめ≫
・ベトナム戦争後、ベトナムと中国の戦争が起きた。(中越戦争・・・第3次インドシナ戦争)
・この戦争によりベトナムは中国軍を早期撤退させた。
・国境及び領海問題は今なお続いており非常に根深い問題になっている。
近年、中国は「時は来た」という時期にきているかもしれません。鄧小平の遺言に「韜光養晦ーとうこうようかい」光を隠して密かに力を養えという言葉があります。現在の中国は世界第二位の経済大国。そろそろ光を隠さずとも力を見せつけて行ってもいいころだろうというのが見えてきます。
ベトナムは色々な意味で尊敬に値する国です。先のCOVID19 の完全封鎖も話題になりましたがアメリカだけでなく中国にも1歩もひるまずに対応していること、かといって経済では協調路線をとったりというしたたかさまであります。
COVID19の社会隔離の際に「今は経済より国民の命の方が大切だ」と言っていましたがまさに国民ファーストの国ベトナムが魅力を増してきている気がします。
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