今更聞けない、資本主義と社会主義のざっくり解説(part.3)
みんなが共有の財産を好き勝手に使うから「社会主義的思想」が必要なのかもという普段、何んも考えてない私がひも解く「ゆるーい社会主義と経済」
今回は「経済と思想」という壮大かつ浅い私の表現でお送りします。
≪1.社会主義思想、めっちゃ賛成?!≫
社会主義について述べていると「お前は社会主義思想なの?」などと言われることがありますが、
実は私・・・
普段何にも考えていないどこにでもいるおっさんなのです。
そう、アンニュイなおっさん。
「表現の仕方だろ(笑)」 写真でかい
で、「社会主義についてどうよ」なんですが1回目、2回目も話しましたが、「社会主義とは誰もが平等な社会を目指す」理想を目指しているです。
(前回まで)
・理想と現実のギャップ
・理論は成熟、人間そのものが未熟
・独裁がおこることによる弾圧、言論統制
・どうなる(プーチン ロシア)・・・やってないか…スミマセン
≪2.冷蔵庫のスペースの悲劇≫
皆さんは友達と何かお金を出し合って共有した経験ないですか?
少なからず1度は何かしらあるかと思います。はじめはいいですが、何となくそれが原因で「イラッ」とした人もいるかと思います。
私の場合でいうと・・・事務所に冷蔵を買ったんです。これでみんなのお弁当が悪くならなくて良かったね。といった矢先、数日後には人数変わってないのに冷蔵庫のスペースがもうないんです。
これは一人が皆のスペースを考えずに大量の食料や飲料をもってきたことによるものでした。
(余談ですが・・・ベトナムあるある?)
ベトナムはめっちゃ暑いんです・特に6月から10月くらいは昼は39℃・・・体感温度は尋常じゃないですね。
で、外に飯を食いに行くのがしんどい時はカップラーメンですませるか!
ん・・・ない? あれ? ここに置いていたはずなんだけど・・・。
私:「ねぇ、ここに置いてあったカップラーメンしらない?」
従業員:「そこに置いてあったからみんなで食べましたよ」
みんなで?嘘つけ!そんなちっちゃいラーメンを15人のスタッフで食べるのか?
いやいやその前に
・・・それ共有のラーメンじゃなくて「僕のですから・・・」ラーメン1個で目くじら立てるかっこ悪さを利用した犯行か・・・。しぶしぶ炎天下のなか外に食事に😢
「それ共有のラーメンじゃないですから・・・・」
≪3.「うちの牛はめっちゃ食欲旺盛なんです」という悲劇≫
中世の英国には「コモンズ(共有の)」と呼ばれる土地がありました。
これは誰もが利用できるが誰の所有でもない土地です。
この「コモンズ」に悲劇がおきます。
1968年雑誌「サイエンス」に載ったギャレット・ハーディンの
「コモンズの悲劇」です。
これを以下のイメージとともに簡単に解説します。
・「これがコモンズ牧場か~」
Jo「Ryuさん、ここは一緒に自分たちの牛を育てる場所にしましょう!」
Ryuji「じゃあここではお互い3頭ずつ、計6頭の牛を育てましょう」
Jo「そうですね。この土地ならそれくらいじゃないとね」
Jo「Ryuさん儲かってますかー?」
Ryuji「ぼちぼちでんなー。大体月500ドルくらいかなぁ。そっちは?」
Jo「うちも同じくらいですねー。」(同じくらいかぁ。Ryuさんより儲けたいなぁ)
・1頭増やしちゃえ!
Ryuji「最近Joさん景気よくない?何かしてるの」
Jo「いやいや何も(1頭増やしたなんて言えない、言えない)」
Ryuji「なんか1頭多くない?」
Jo「いやぁ気のせいでしょ。牛って大体同じ柄でしょ。Ryuさん眼鏡だから見えにくいんだよ」
Ryu「そっかー」
数日後
Ryu「Joさん、マサイ族の友達が全部で7頭いるって言ってるんだけど増やした?」
Jo「(ば、ばれた・・・)あっ増やしたかも」
Ryu「じゃあ僕も増やすよ。」
Jo(もういいや、僕もとことん増やして収益増やそう)
・・・・結果、両者が牛を増やしまくった結果、牧場は荒れ果ててしまい。牛はやせ細り両者とも破産してしまいました。
これが「コモンズの悲劇」といわれるものです。
≪4.社会主義と何が関係?≫
第一回、二回を読んでいただいた方の中にはお気づきの方もいると思いますが、ギャレット・ハーディンはこの問題を解決するには
・社会主義と私有化
の2つの方法があると注釈しています。
つまりは社会主義できちんと管理する「計画経済」をしくことで解決するという事です。
≪5.でも、うまくいかなかったじゃん 計画経済≫
前回、「富農の排除」「集団農場」について話しました。
計画経済(集団農場)を行う際に「富農」(知識があり効率よく作物を生産し富を得ていた人)を「悪」と決めつけ排除したことにより素人集団の農場が誕生した事が飢饉や失敗につながったと話しました。
≪6.コモンズの統治≫
このギャレット・ハーディンの「社会主義と私有化」に対し対抗する理論が
「コモンズの統治(エリノア・オストロム)」です。
この理論は簡単なようで超、奥が深いので表面の表面だけ超、簡単にいうと自主的にルールをつくりそれを平等に監視するシステムをつくればコモンズの悲劇を招くことはないという感じです。
なぜ、この理論がノーベル賞をとるまで話題となったかっていうのは経済学者の通説では「人は自分のために行動する、それが社会にとってよいことだ」という考えがあったので、集団利益に自らが進んでいく状態はとうてい受け入れがたいことだったからです。
気になる方は自分で調べてくださいね。(参考文献やWikipedia日本版が探せなくてすみません)
≪7.何はともあれ「あんたの正義はいったい何だい!?」≫
社会主義であれ、資本主義であれ「人は弱い」生き物です。
元も子もない話ですが「自分の良心、自分の正義」を高め「giver」になるしかないんです。'Give and Give'の精神ですね.
何もこれは土地に限ったことではありません。
・道路のような共有の財産を私物化しない(店だしたりゴミ捨てたりしない)
・水産資源を一部の国や地域が独占や乱獲しない
・自分だけ電気や電波を使いまくらない
きりがないんですが「自分だけいいや・・・はやめましょう!」
≪8.今回のざっくり覚えるポイント≫
・コモンズ(共有の財産)を管理するには社会主義システムがよいという考え
(社会主義か私有か)
・集団利益に向かっていく姿勢があればコモンズは統治できる
・Jozakiのカップラーメンはコモンズではない