酸いもそのうち甘いになる!(はずきっと)

酸いとか甘いとか、もっぱら酸いばかりだったけど、いろんなことを体験してきた。
それでも今となっては、ほとんどが笑い話として語れるようなもの。
数々の失敗やら挫折やらで落ち込んだこともあったし、これでもかっていうくらいに怒号を浴びてきたけど、最終的にはなんとかうまくやってきたかなと思っている。

辛かったら逃げればいい。なんて言葉をよく目にする。
でもどうなんだろう?
けっこう逃げるのって大変じゃないだろうか?
逃げ道はあっても、たどり着く先はあるのだろうか?
もしあったとしてもそこは望んでいる場所なのだろうか?(だったら最初からそこに行けばいいわけだし)
オレは、心の底から逃げてしまいたいという経験がないので、他の人のことは理解できないけれども、辛かったことがあるとそのように思っていた。
というような感じなので、逃げずにやってきた。
その結果、誰もが高い評価をしてくれたわけではないけど、最初の頃よりかは一目を置いてもらえるようになったことは誇りに思っている。

現在、もしかしたらだけど、オレ人生の中で一番の危機を迎えているのかもしれない。
もしかしたらと感じているくらいなので、違うのかもしれないけど。

4月20日、コロナウィルス拡大の影響によって解雇された。
誕生日を5日後に迎えた日のことだった。
その月の10日にオレが働いていたお店が休業することになったし、20店近くあった会社のお店すべても同時期に休業することになった。
なので、全従業員が対象。
予想はついていたことだが、やはり解雇通知書がメールで届いた時はショックだった。

時を戻して、2018年の秋。
飲食店を事業としている会社に、コピーライターで入社した。
しかし、入社直後に築地市場が豊洲に移転したことで、会社店舗の約半分くらいを占めている築地エリアの売り上げが予想以上に落ち込み、コピーライターで雇えなくなったというのだ。
店舗で働くならということで、未経験の仕事に突然異動することになった。
ホール業務をやることになったのだが、レジ打ちも注文の取り方もやったことがない。
まさか40手前のこの歳で、新しい仕事をやるとは想像もしていなかった。

そろそろ仕事に慣れてきた半年後の2019年のGW。
異動の話しが突然やって来た。
なんと店長になるという通告だった。
はぁ、何言ってるんだ?!つい最近飲食店で働きはじめたばかりだぞ!である。
しかも、2日後だと言う。

調理はしたことないし、食材などの発注やシフト作成などもわからない。
もうなにがなんだか理解できずに異動先のお店に行くと、引き継ぎをやってくれる人がバックレた。
もう馬鹿野郎だ!
それでも、社会人経験のない大学生や、日本語がそれほどうまくない外国人のアルバイト、店舗運営などについてはエリアマネージャーにいろいろ教えてもらった。
もう年齢とか雇用形態とかプライドとか、そんなもんはまったく考えなかった。
わからないことは素直に聞いた。

こんなバカげている人選する会社が悪いんだ!どうにでもなれ!と腹をくくった。
とにかく持ち前のスタミナと元気を前面に出していった。
お客さまには明るく対応し、アルバイトとはこまめにコミュニケーションをとった。
そんなこんなでみんなも協力してくれて、常連さんとなってくれた方もいて、ほぼ毎月昨年対比の売り上げが良くなった。
よくわからないが、けっこうすごいことだったみたいだ。
異動したての頃は、冴えない顔をして働いていたこともあり、すぐ辞めるなと大学生から言われていたオレ。
またコピーライターに戻ってやるという想いは正直あったけど、それでも与えられた環境の中で歯を食いしばってなんとかやってきた。

今、無職のオレはコピーライターを返り咲きたいと、強く思っている。
コピーライター時代は、コミュニケーションを取っていたつもりだったが、ひとりよがりな仕事をしていたんじゃないかと振り返っている。
どうしようもなくなったら、素直に教えを請いていけばいい。
取り組んでほしいことがあったら、真剣にお願いすればいい。
この仕事を通じて、いろいろ学ぶことができた。

困難や失敗という名の酸いを吸うことで、未来の成功という名の甘いに味変することも可能ではないかと、少なくともオレは思っている。

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