ああ、ものさしだ。『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』感想。20200717
こんばんは!コダカです。
今日は本を読んだので感想を書きます。
『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』大木 亜希子さんの作品です。
一気に貪るように読みました(笑)
面白かったなぁ。
芸能界を引退し一般企業で営業職兼記者として働いていた大木さん。
ある日、駅のホームでパニック障害を発症しその後退社。
フリーランスとなるが仕事もなく貯金は限界に。
そして姉からの紹介でおっさんの家に同居して人生を取り戻していく話でした。
(あらすじ)
元アイドルとおっさん・ササポンの奇妙な同棲生活
「この特殊な生活の中で自分が変われるかもしれない」
仕事なし、彼氏なし、元アイドルのアラサー女子。
夜は男性との「ノルマ飯」、
仕事もタフにこなしているつもりが、
ある日突然、駅のホームで突然足が動かなくなった。
そして、赤の他人のおっさん(57歳)と暮らすことに──。
(出典:祥伝社『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』サイトより)
面白かったこと。
全編面白かったのですがネタバレしないところで3点ほど。
1つは読んでいてジャンル分けできないとても不思議な話だったんです。
もっともジャンルに当てはめる必要なんてないのですが、小説なのか、ドキュメンタリーなのか、How toなのか、前に読んだ水野敬也さんが書いた「 夢をかなえるゾウ」 にも似ているような、そうじゃないような。
さきほど出版社さんのサイトで「私小説」と書いてあってなるほどと思いました。
次にこれは「ものさし」の話でもあって、年齢・結婚・子供・仕事と人様の人生に土足で上がってきて「ものさし」を押し当てようと強要してくる人が所々で出てきます。女性同士のマウンティングはわからずとも、仕事や結婚あたりは僕にもわかる。これは非常にめんどくさいし、現代ではパワハラとして世間では認知されてつつあります。
実際似たようなことをされた時にどうしたかな?と、
大木さんの軌跡を辿りながら思い出していました。
しかもこの「ものさし」は、多くの人気を集める芸能界・アイドルの競争社会を生き抜き成功してきた大木さんにとって、さらに巨大化したとんでもないものだったと思うのです。
それを同居するおっさん「ササポン」、お姉さん、お医者さん、友達の優しさと共に、自らが置き換えていく作業は読んでいて引き込まれました。
最後に3つ目ですがこれは実話…なんですよね。
2つ目にあげたササポンはじめお仲間たちの言葉は本当にあったのでしょうけど、後半からガラッと自問自答にかわっていくんですよね。
どうしても松岡茉優さん主演の映画『勝手にふるえてろ』のミュージカルシーンを思い出してしまうのです。
私の中のフィクションでしたってことはないかな?
言い換えれば、それだけ物語の展開でどんどん再生して成長する大木さんが描かれていたってことなんでしょうか。
大木さんの旅はまだまだ現在進行形なので、これからも物語が紡げるのでしょうね。楽しみです。
こうやって俯瞰の視点を忘れず人生に詰んでも頑張ろう!と思えた、良い物語を読みました。ありがとうございました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
著者紹介 大木 亜希子さん
ライター。2005年、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)で女優デビュー。数々のドラマ・映画に出演後、2010年、秋元康氏プロデュースSDN48として活動。その後、タレント活動と並行し、ライター業を開始。2015年、しらべぇ編集部に入社。2018年、フリーランスライターとして独立。著書に『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』(宝島社)。(出典:祥伝社『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』サイトより。)
参考サイト
祥伝社 『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』サイト
Amazon 人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした (単行本) 大木 亜希子 https://www.amazon.co.jp/dp/4396617100/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_biAeFb5VF70ZG
Amazon 夢をかなえるゾウ 水野 敬也 https://www.amazon.co.jp/dp/4870318059/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_DRAeFbQSTGX06